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大希颯初主演!星組公演「RRR」新人公演開催

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大希颯初主演!星組公演「RRR」新人公演開催

 

大希颯(たいき・はやて)主演による星組公演「RRR×TAKARAZUKA」~√Bheem~(アールアールアール バイ タカラヅカ~ルートビーム~)新人公演(竹田悠一郎担当)が320日、東京宝塚劇場で行われ、ライブ配信された。公演中にふたたびコロナが蔓延、主演の大希も体調を崩して休演したため当初の日程をずらしての公演となったが、無事、公演が実現できたのが何よりだった。

 

前月の雪組公演から過密スケジュール緩和のためとして、宝塚大劇場での新人公演が一時中止となっており、今回も東京だけ。それだけに一回にかける新人公演メンバーのパワーが炸裂したホットな公演となった。

 

主演のビーム(本役・礼真琴)に起用された大希は105期生。どことなく大空祐飛や珠城りょうを彷彿させる目力が魅力の凛とした二枚目だ。イギリス統治下のインド、イギリス人から虫けら同様に扱われていた少数民族ゴーンド族の守護者ビームが大希の役どころ。登場シーンから何やら神々しく後光がさし、民に慕われている存在だ。大希はそんなビームにふさわしいスターオーラのようなものを持ち合わせていて、登場シーンから客席をぐっとひきつけた。見せ場のひとつナートゥのシャープな切れ味、安定感のある歌唱、演技もストレートで、純朴で人柄のいいビームを素直に表現、好感度を上げた。

 

ビームと同じ志を持ちながら、図らずも敵味方として対決せるを得なくなるラーマ(暁千星)には104期の御剣海(みつるぎ・かい)が挑戦。長身で制服がよく似合い、いかにも男役らしい風情がある。大希とならぶと兄貴といった感じがあって二人のコンビが似合っていた。 

 

舞空瞳が演じているイギリス総督の姪ジェニーは106期生の乙華菜乃(おとか・なの)。可憐な容姿に似合わずしっかりとした演技力と口跡のいいセリフで大希ビームをリードした。

 

そしてジェニーの婚約者ジェイク(極美慎)には稀惺かずとという配役。前回の「1789」の新人公演が初主演で話題になったが宝塚が中止になってしまい、みられなかったのが残念だった。今回はすっきりとした二枚目ぶりが際立って、嫌味な役が嫌味ではなく、いかにも好青年ぶりに演じたのが稀惺らしくて思わずほおが緩んだ。

主要な役はこれぐらいであとは総督役のスコット(輝咲玲央)の世晴あき(104期)その妻キャサリン(小桜ほのか瑠璃花夏103期)がわきをしっかりと押さえ、ビームの仲間、ペッダイヤ(天華えま)の碧音斗和(104期)、ジャング(天飛華音)の樹澄せいや(106期)、ラッチュ(稀惺)の世奈未蘭(107期)がそれぞれ大希を好サポート、なかでは樹澄の弾んだ演技が目を引いた。そして娘役では婚約者(詩ちづる)の綾音美蘭(104期)が芝居心のある丁寧な演技で好演、拉致される少女マッリ(瑠璃)を茉莉那ふみ(108)が透き通った美声で満場を魅了した。

 

103期の瑠璃を長に全体的に非常にレベルの高い公演で、一回に賭けるメンバーの緊張感があふれる好舞台だった。新人公演の出来とは別に、今回改めて再見して感じたのは3時間余りある映画を約1時間半にダイジェストしたことから全体的に展開がスピーディーで、前半のビームとラーマが出会うきっかけとなる橋の爆破シーンなど映画を見ているから何が起こっているかわかるが、初見では何が何だかわからないシーンや後半のクライマックスであるラーマ救出シーンも映画のような効果は出せず、やや隔靴掻痒な部分があり、ナートウのような舞台に最もふさわしい場面があるも関わらず全体的には舞台向きではない題材だと感じた。新人公演メンバーの熱演ぶり素晴らしかったが、本公演の礼と暁という二人の魅力の大きさを改めて感じた公演でもあった。

 

©宝塚歌劇支局プラス323日記 薮下哲司

 


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