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Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
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彩吹真央30周年、美弥るりか20周年で里帰りディナーショー

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彩吹真央30周年、美弥るりか20周年で里帰りディナーショー

 

元雪組の彩吹真央、元月組の美弥るりか。人気、実力ともありながら惜しまれて退団、いまなお絶大な人気を誇る二人がそれぞれ宝塚での初舞台から30周年と20周年を迎え、相次いで宝塚ホテルで里帰りディナーショーを開いた。

 

30周年となった彩吹のショーはY Chronicle」のタイトルで、構成、演出をNHK朝のテレビ小説「ブギウギ」の舞台演出が好評の元宝塚歌劇団の荻田浩一氏が担当スペシャルゲストに同期生で元月組のトップスター、霧矢大夢東京は元雪組トップの水夏希)。元雪組の未来優希と大月さゆがコーラスで参加という豪華版310日に行われた

 

彩吹は、退団後に巡り合い、今後のライフワークにしたいと話していたミュージカルスター、ジュディ・ガーランドの後半生を描いた伝記ミュージカルから「Get Happy」を歌いながら客席から登場、ファンとハイタッチしながら舞台へ。「オーバー・ザ・レインボウ」と続けて、一気にファンのハートをつかんだ。

 

続いて「チャーリーとチョコレート工場」「5番街のサリー」と女優として出演した最近作の曲を披露、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のあと未来と大月を紹介。しばし懐かしい宝塚時代の話題に花を咲かせた。

 

ここで彩吹がドレスチェンジして「エリザベート」メドレーへ。彩吹、未来、大月の3人で「バートイシュル」「皇后の務め」そして「最後のダンス」ときたところで霧矢が客席から「キッチュ」を歌いながら登場、彩吹と「闇に広がる」に展開するという絶妙の演出。そして彩吹と大月で「夜のボート」霧矢が「愛と死の輪舞」を歌ってコーナーを締めくくった。

 

全員が本公演に出演、退団後も未来と大月は東宝版にも出演しているので、その後のトークは大いに盛り上がった。

 

続いて宝塚メドレーは「月の燈影」「NAKED CITY」と30周年を逆にさかのぼっていくという構成。大月がヒロインを演じたドラマシティ公演「シルバーローズクロニクル」からのデュエットも再現されるなど懐かしい場面にファンの思いはひとしおだった。

 

彩吹は「月の燈影」や「鴛鴦歌合戦」などで現役生の演技指導に招かれて頻繁に劇団を訪れていることもあって会場には各組の生徒が大挙お祝いにかけつけ、温かいムードに包まれた華やかなショーとなった

 

一方、20周年となった元月組の美弥は「Trajectory」タイトルで、20日に開催。同じ月組の後輩で仲のいい宇月颯と晴音アキがゲスト出演、美弥のアニバーサリーをおおいに盛り上げた。

 

退団後すぐにファッション関係の写真集を出すなど、ユニークな着こなしが注目される美弥らしいカラフルな衣装で登場、最初の曲は主演したドラマシティ公演「瑠璃色の刻」の主題歌から。いきなり懐かしい曲からのスタートに満員の客席からは早くもすすり泣きがもれるほど。「グランド・ホテル」「BADY」とつづくと客席から伝染したのか本人も思わず涙ぐみながらの熱唱となった。

 

退団後、宝塚の地を仕事で踏むのは初めてとかで「宝塚ホテルがこんなに素敵なホテルになっているのを初めてみて感動しました」と第一声。宇月、晴音を紹介して「今日は思い切り宝塚色に染め上げてみたい」と宝塚時代の曲をメドレーで。

 

まずは「All for One」から「酒、歌、女」を、ワイングラス片手に客席のファンと乾杯してにぎやかにスタート。そのままテーブルを回りながら「ロミオとジュリエット」からは「マキューシオの歌」を。初舞台の「花の宝塚風土記」では宇月と晴音が美弥の初舞台ラインダンスのパネル写真を持って登場、客席を沸かせた。「夢現無双」から定めし道」を、1789」からは「私は神だ」そして「All for One」から同名主題歌を3人で歌ってメドレーを締めくくった。

 

「ロミオ出演場面はとてもハードでしんどかったけれどマキューシオは死んでしまうのでその後は楽ちんで、みんなの手伝いをしていたねエピソードを話して笑わせていた

 

後半は、退団後に女優として出演した「ヴェラキッカ」「グレートプリテンダー」などの舞台から主題歌を数曲披露、ラストは猫好きの宇月、晴音と3人で「キャッツアイ」を歌ってにぎやかに幕を閉じた。鳴りやまぬ拍手に応えてカーテンコールは「夢の終わりに」をしっとりと歌い、5年ぶりの里帰りディナーショーに余韻を残して幕を閉じた。

 

彩吹、美弥といずれもトップスターとしての資質は十分にありながら惜しまれて退団、退団後は女優として活動しているが、その実力の確かさは万人が認め、出演作が引きも切らない点で共通している。二人のアニバーサリーを祝うディナーショーは、今回、偶然重なったのだが、ともに満席の盛況で、二人の里帰りを温かい雰囲気で包み込んだとても心地いいディナーショーだった。

 

©宝塚歌劇支局プラス722日記 薮下哲司

 

 


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