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Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
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元宙組娘役トップ、潤花退団後初ディナーショー「Starting Now」

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元宙組娘役トップ、潤花退団後初ディナーショー「Starting Now

 

元宙組の娘役トップスター、潤花の退団後初仕事、ディナーショー「Starting Now(アミューズ制作)16日の東京に続いて923日、宝塚ホテルで開かれた。退団時にミュージックサロンがなかったこともあって会場は遠征客も含めて超満員の盛況、19日が本人のバースデーだったこともあって、ホテル側からのバースデーケーキのサプライズプレゼントもあって大いに盛り上がった。

 

舞台両サイドに巨大なプロジェクターを設置、開演直前から潤花のオフショットを流してムードを盛り上げる中、「お久しぶりです!ようこそいらっしゃいました!」客席後方から満面の笑みで登場した潤花。背中が大きくあいた白地に黒の水玉模様のミニドレスで、いきなり後方の客席のファンとハイタッチ。軽妙なMCを挟みながら「Fly With Me」から「SOARIN」を歌って舞台へ。のっけから潤花らしいフレンドリーで底抜けに明るい幕開け。その華やかな雰囲気とともにファンを一気にわしづかみした。

 

6月に退団して3か月。引っ越しディナーショーの稽古、観劇などで結構忙しかったようだが「朝昼晩3きっちり食べてすっかり健康な普通の女子に戻りました」と近況報告。

 

ショーは潤花のタカラヅカヒストリーといった感じの内容。まずは宝塚を目指すことを決めたきっかけとなったミュージカル「ロミオとジュリエット」から「大好きな曲」という「いつか」をしっとりと

 

続いて、入団2年目で新人公演初ヒロインに抜擢された「ひかりふる路」と最後の新人公演ヒロインとなった「ONCE UPON A TIME IN AMERICAから「皇帝と皇后」の2曲をメドレーで。が真彩希帆だったこともあって新人公演時はずいぶん聞き劣りがしたのだが、今聞くと、全然そんな様子はなくよく伸びる素晴らしい歌声。その後の成長ぶりが如実に反映されていた。本人も「当時の映像を再見したらメイクがひどくて恥ずかしくなりました」と苦笑い。そしてドラマシティ公演初ヒロイン「ハリウッド・ゴシップ」からの「この胸の高鳴りを」とつづけた。

 

ついで雪組から宙組に組替えとなって真風との最初のコンビ作となった「ホテル・スヴィッツラハウス」の思い出。コロナ禍で大阪公演が全公演中止、東京公演でやっと実現した公演だった。真風愛をひとしきり話した後、思い出深いDance in My Worldそして大劇場お披露目公演となった「シャーロックホームズ」から「アイリーンの歌」を披露した。ちなみに真風は16日の東京公演に姿を見せたという。

 

続いては「大好きなグループ」というEXILEの三代目J Soul Brothersの「POWDER SNOW」そしてシンガーソングライター高橋優のヒット曲「明日はきっといい日になる」を歌いながら客席降り会場の隅々のファンまで練り歩いてハイタッチ、明るい笑顔を振りまいた。

 

ここで映像は「NEVER SAY  GOODBYE」のヒロイン、キャサリンの世界に入り込み、主題歌が流れると潤花が早変わりでシックな真っ赤なドレスで登場。「愛の真実」を歌うという凝った構成。それにしても雪組新人公演時代は本役が真彩希帆、宙組トップ時代には花總まりの代表作への挑戦と、作品に恵まれたうえ、自らの明るい個性でファンを引き付けた稀有な娘役だったことが、いまさらながらうかがわせた

 

ここでホテルからのバースデーケーキのプレゼント。会場のファンと一体となっての「ハッピーバースデー」の大合唱に潤花大感激。明るい笑顔がさらにはちきれた。

 

そして最後の一曲はディズニープリンセスの祭典で歌われる清水美依紗の「Starting Now~新しい私へ」ディナーショーのタイトルでもあるが、まさにいまの潤花ぴったりの選曲だった。

 

鳴りやまぬ拍手の後「MONSTER SMILE」とプリントされた白のTシャツ姿で登場した潤花が歌ったアンコール曲は、宙組公演「High and Low」からの「One DayOne Lifetime」。宝塚を初めて見た「ハイロー」ファンの男子を一気に虜にした記念すべき一曲で退団後初ディナーショーを締めくくった。ゲストなしたった一人のワンマンショーだったが、はちきれんばかりの明るい笑顔と軽妙なトーク、充実した歌声で立派に務めあげ、ファンも大満足の一時間半だった。

 

ディナーショー以後の予定はまだ発表されていないが、まずは映像からスタート、将来的には舞台出演も視野に入れてじっくりと再出発を図る意向とか。「MONSTER SMILEはスタッフが命名した潤花のニューアイコン。言いえて妙だが潤花の「MONSTER SMILE」はこれからが本番だ。

 

©宝塚歌劇支局プラス924日 薮下哲司


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