写真:キューブ公式
壮一帆 里帰りディナーショー「Wonderful Time」開催
元雪組トップスター、壮一帆が8月5日、退団後初の里帰りディナーショー
「Wonderful Time」を宝塚ホテルで行った。
壮の退団後初、9年ぶりの里帰りディナーショーは、宝塚ホテル一回のみというスペシャルなステージ。発表されてから開催まであまり日にちがなかったにもかかわらず、7日の壮のバースデーを一足早く祝おうと東京からの遠征組も駆けつけて満席の盛況、これに応えて壮は、客席のすみずみまで歩きながら歌い、久々の里帰りは大いに盛り上がった。
オープニングは花組時代のヒットショー「エキサイター」から。いきなりHotな登場に客席のボルテージは一気に最高潮。ところが曲終わりでバンドの機材にアクシデントが発生。アドリブでつながなくてはならなくなり、MCが長くなったのだがそれが逆にディナーショーらしいインティメートな雰囲気を作り上げ「こうなったら朝までやるから、帰りが心配な人は途中でどんどん帰って」とのっけから軽妙トークが炸裂した。
ようやく機材が復旧、まずは花組メドレー。「明智小五郎の事件簿、黒蜥蜴」「カナリヤ」「虞美人」と懐かしい曲が続く。「在団の半分以上花組だったのでやはり愛着はあります」 と花組愛は半端ではない様子。「久々の宝塚だったけれど同期とかいろんな人が訪ねてきてくれて、宝塚ってやっぱり温かいところだなあと改めて宝塚が大好きになった」と宝塚愛を再確認。
ここで最近はまっているというタンゴからピアソラの「オブリビオン」など2曲を披露。
「宝塚時代にも踊ったことはあるけれど、本場のタンゴダンサーの方たちとの共演はすごく勉強になってこれから本格的に続けようと思う」と今後のライフワークにしたいという。
黒のパンツルックからさわやかな薄緑色のドレスに早替わりした壮を迎えたのは、ホテルが用意した大きなバースデーケーキ。会場全体にブルーのペンライトが揺れる中、「ハッピーバースデー」の大合唱をバックに壮がろうそくを吹き消した。「サヨナラ公演の千秋楽以来」と大感激の壮。「祝ってもらう年ではないという人もいるけれど、私はいくつになっても祝ってほしい!」と笑いとばす壮に元気をもらった人は多いだろう。
歌はミュージカル「エビータ」から「ドント・フォー・アルゼンチーナ」など2曲を披露。続けて雪組コーナーへ。
ドラマシティ公演「心中・恋の大和路」サヨナラ公演「前田慶次」そしてショーの主題歌などを歌ったあと代表作「シャル・ウィ・ダンス?」から「リフレイン」を歌い継いだ。
アンコールは越路吹雪や大浦みずきが歌ったシャンソンの名曲「ケ・セラ」をしっとりと歌いこみ、里帰りディナーショーをしめくくった。「久しぶりの宝塚で、宝塚の歌を歌って、普段歌っている曲と声の出し方とかが全然違うので、調子が外れたところもあったけれど、本当に楽しかった。女優としては歌も芝居も、まだまだ成長過程だと思っていて、これからもいろんな役に挑戦していくので応援よろしく」とあいさつ。ファンから温かい拍手をあびていた。
今後の予定としては10月にミュージカル「ロジャース&ハート」に出演、その後雪組プレ100周年コンサート、続けて水夏希芸能生活30年記念タンゴコンサートへのゲスト出演などが決まっている。
©宝塚歌劇支局プラス8月7日記 薮下哲司