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宙組トップコンビ、真風涼帆×潤花 宝塚大劇場でサヨナラショー
6月退団が決まっている宙組トップスター、真風涼帆が、4月17日、アクション・ロマネスク「カジノ・ロワイヤル」‐我が名はボンド‐(小池修一郎脚本、演出)千秋楽を迎えた宝塚大劇場でサヨナラショーを開催、添い遂げ退団となった相手役の潤花、15年間組長を務めた寿つかさら6人とともに古巣に別れを告げた。
「カジノ・ロワイヤル」終了後、寿組長の紹介で始まったサヨナラショーのタイトルは「One Heart@COSMIC PLANET」。真風が自身のサインが輝く大階段から登場。トップ披露公演だった「天(そら)は赤い河のほとり」の豪華なローブを羽織って主題歌を披露、ローブを脱ぎ捨てると一転「HIGH&LOW」のコブラに変身、芹香斗亜もROCKY役の衣装とサングラス、ヘアスタイル、桜木みなと、瑠風輝、鷹翔千空もそれぞれの役どころで登場、主題歌「山王街の夜明け」を歌うという凝った構成。
続いて潤花が「カプリチョーザ」からのナンバーを宙組娘役メンバーと明るく披露。サングラスにパイロットの制服姿に着替えた真風が「フライ ウイズ ミー」につなげる。ついで寿つかさはじめ紫藤りゅうら5人の男役が勢ぞろい。宙組第一作となった「シトラスの風」を歌いついだ。
ダークスーツの着替えた真風は思い出の「ヴァンパイアサクセション」の主題歌、続いて「ヘイ!ダニー」の呼びかけとともにラスティ芹香との名コンビによる「オーシャンズ11」を銀橋で息の合った掛け合いを披露、寿、紫藤ら退団同期メンバーがにぎやかに歌い継いだ。
REVUEメドレーでは、真風と潤が「カプリチョーザ!」から熱いデュエット、芹香、桜木とともに「デリシュー」を華やかに、真風が一人残って「アナスタシア」から「She Walks In」をしっとりと歌いこむと、潤は真風とのコンビの大劇場披露公演となった記念すべき公演「シャーロック・ホームズ」からアイリーンのソロ「新しい人生へ」を。
そして真風も潤とおそろいの薄紫の宙組カラーの衣装で登場、極めつけ「NEVER SAY GOODBYE」をムード満点にデュエット、続いて真風が「ONE HEART」を歌いだすと客席はペンライトの洪水となり宙組のメンバーも次々に登場全員の大コーラスとなって約30分のサヨナラショーは感動的に盛り上がった。
恒例の退団あいさつは寿組長が「すべての方に心から感謝、東京公演千秋楽までダンディーに、品よく、ユーモアたっぷりに生きてまいります」と33年間のエッセンスを短くまとめ、潤は「今のこの奇跡に感謝です。ゆりかさん!今日の私どこまでの思いになってしまうのかと思っていましたが、想像以上の愛にあふれています。短い時間のなか、これでもかという愛をくださったからだと感じております」と真風愛を全開。
紋付き袴姿の正装で階段を下りた真風も「初舞台で手も足も出ない私を自分の事のように助けてくださった方たちがおられたから私は今ここにいます。一人では到底立てなかった舞台に立てているのは、ここまで携わってくださったすべてのみなさんのおかげです」と感謝の言葉をあふれさせた。カーテンコールは5度に及び、最後は寿組長の音頭で「宙三本締め」で客席一体となって締めくくった。立ち去りがたいファンの拍手で真風と潤の二人が幕前に姿を見せたが、銀橋で挨拶すると勘違いした潤を真風がたしなめるなど、最後まで明るい笑いが絶えないラストステージだった。
©宝塚歌劇支局プラス4月17日記 薮下哲司