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Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
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宙組アニバーサリーコンサート「明日へのエナジー」

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宙組誕生25周年に当たる2023年、発足当時の初代トップスター、姿月あさとを中心に当時の二番手で二代目トップとなった和央ようか、三番手でのちに星組のトップを務めた湖月わたるの3人を中心に出雲綾ら旧宙組メンバーが集まってアニバーサリーコンサート「明日へのエナジー」(岡田敬二構成、演出)が東京公演に引きつづいて311日から14日まで宝塚バウホールで開催された。折から大劇場では宙組8代目トップスター真風涼帆のサヨナラ公演「カジノ・ロワイヤル」が始まったばかり、宝塚が宙組一色に染まった

 

宙組誕生の第一回公演は、19983月のミュージカル「エクスカリバー」(小池修一郎作、演出)とロマンチック・レビュー「シトラスの風」(岡田敬二作、演出)だったことからスタッフも岡田氏はじめ音楽が𠮷崎憲治氏4振付に謝珠栄氏らオリジナルメンバーが集結衣装加藤真が担当するなど、通常のOG公演とは一味違った本格的なコンサート。

 

姿月、和央、湖月の宙組が誇る長身トリオが勢ぞろい「エクスカリバー」の主題歌「未来へ」を歌うオープニングからもう圧倒的な迫力。自称「ジャンボトリオ」というにふさわしいオーラが炸裂した。

 

コンサートは二部構成で一部は3人が出演した宙組第一回作品「エクスカリバー」と「シトラスの風」からのメドレー、さらに「激情ホセとカルメン」から歌とダンスで名場面再現、衣装も当時をしのばせるものでファンにとっては涙物のシーンが連続

 

つづいて和央が、自身のトップ時代の「ミレニアムチャレンジャー」「カステルミラージュ」「ファントム」「NEVER SAY  GOODBYE」をメドレーで披露。「ファントム」は初演当時のクリスタルの仮面をつけて登場、姿月がキャリエールに扮して「YOU ARE MY  OWN」を感動的に歌いこむという豪華版。

 

そして宙組二回目の公演だったミュージカル「エリザベート」からはルキーニ役だった湖月の「キッチュ」を皮切りにトート役の姿月が「愛と死の輪舞」姿月トートと和央ルドルフによる「闇が広がる」とゴージャスなリレー。一部の最後は出雲からショー「GLORIOS」の主題歌を歌いはじめ出演者全員が歌い継いで明るく華やかに締めくくった。

 

休憩をはさんだ2部では退団後の2016に姿月、和央、湖月が出演したミュージカル「CHICAGO」からベルマ役だった和央、湖月が「オールザットジャズ」フリン役の姿月が「オールケアアバウト」を披露、ニューヨーク公演の思い出話に花を咲かせた。そしてCHICAGO」のフィナーレで歌われる「MY OWN  BEST  FRIENDS」を3で披露。

 

その曲にひっかけて3人が宙組に配属される前、姿月が月組、和央が雪組、湖月が星組時代に「TMP音楽祭」(タカラヅカスペシャルの前身)で競演したときに歌ったGet Off My Life20数年ぶりに当時の振付通りに再現するという珍しい場面も飛び出すなどお宝シーン満載のステージ。

 

続いて、宙組プレお披露目公演となった香港公演「This is TAKARAZUKA!で好評だったジャズメドレーの再現。3人で「キャラバン」「ナイト&デイ」「シングシングシング」などを軽快に。

 

クライマックスは3人それぞれの現在の持ち歌を披露。湖月がミュージカル「レ・ミゼラブル」から「STARS」和央が夫君ワイルドホーン作曲のミュージカル「ジキルとハイド」から「This is the Moment」を熱唱、姿10年歌い続けている秋元康作詞作曲の大曲「夜明け」をしっとりと歌いこんだ。

 

そしてラストは「シトラスの風」の伝説的シーンでタイトルにもなっているゴスペルソング「明日へのエナジー」を姿月中心に全員でオリジナルの振り通りに再現、宙組25周年にふさわしい熱のこもったステージとなった。姿月の呼び込みで実現したというこのコンサート、姿月は「宙組が誕生して25年、みんなで初心に帰ってこれからも精進していきたい」と今後のさらなる活躍への抱負を話していた。

 

 


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