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期待のホープ、華世京、さわやかに初主演「蒼穹の昴」新人公演

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©️宝塚歌劇団

新人公演プログラムから抜粋転載

 

 

期待のホープ、華世京、さわやかに初主演「蒼穹の昴」新人公演

 

浅田次郎原作の中国歴史ロマンを舞台化した雪組公演、ミュージカル「蒼穹の昴」(原田諒脚本、演出)新人公演(谷貴矢担当)が18日、宝塚大劇場で行われた。大作一本立ての新人公演の例にならい休憩なしの約2時間という構成、本公演で彩風咲奈が好演している主演の文秀(ウェンシュウ)には入団3年目の華世京106が抜擢され、初めての大舞台を立派に務めあげさわやかな風を吹き込んだ。

 

膨大な原作を二時間半にまとめた本公演をさらに30分縮めた公演で、主人公の文秀の出演場面はほぼ残し、一幕終盤の楊喜禎暗殺シーン、光緒帝の結婚式シーン、日本海海戦シーンなどがカット、嗣同が玲玲を訪ねてくる場面なども短くするなどした。しかし本公演とそん色のないレベルの高さで、専科のベテラン勢が扮した役を演じたメンバー誰もが実にしっかりした演技で務め、新人公演とは思えない充実した舞台だった。

 

彩風咲奈が演じている文秀に起用された華世は昨年のバウ公演「ほんものの魔法使」で主演の朝美絢に次ぐ大役、臆病な魔法使いの青年を好演して一気に大注目された若手有望株ナンバーワン的存在。舞台のどこにいてもひときわ目立つはっきりした甘いマスクとすらりとした長身のうえ、歌、ダンス、芝居と三拍子そろった逸材。今回の新人公演も初主演とは思えない堂々たる舞台度胸、地に足の着いた落ち着いた演技で安心して見ていらた。次回以降の新人公演も大いに期待したい。

 

朝美が演じている春児に扮したのは一禾あお。本公演では科挙3人組の一人王逸を好演しているが春児という大役も癖のない素直な演技で務め上げた。見せ場の京劇シーンは本公演より少し短かったような気がするが立派に舞抜き、大きな拍手を浴びていた。

 

春児の妹、玲玲は歌唱に定評のある音彩唯(105期)。「シティハンター」以来二度目の新人公演ヒロイン。7月に梅芸で上演された「Odyssey」の時に専科の美穂圭子と同じ役をダブルキャストで演じすっかり舞台慣れしてきた感じ。フランス人形のようなぱっちりした瞳に愛くるしい笑顔。みすぼらしい格好をしていても美貌は隠せない。加えて歌声の美しさでまさに申し分のない居住まい。いつでも本公演でヒロインができそうだ。

 

和希そらが演じている順桂は紀城ゆりや。全シーンカットされずに残り、逆に非常にいい役であることが浮き彫りになった。紀城は丁寧に演じぬき、銀橋ソロもしっかりと歌いこんで納得性をもたせた。

 

本公演で専科陣が演じている役はすべて若手が演じたが、どの役も適材適所で専科のベテラン顔負けのうまさで驚かされた。なかでも一樹千尋が好演している西太后を演じた夢白あやが素晴らしかった。すでにヒロイン経験は何度もあり、その都度、役作りの確かさは認識していたが、ここまでとは思わなかった。朝月希和退団後の娘役トップが決まっているがその資格は十分、今後の活躍が大いに楽しみだ。

 

光緒帝(縣千)に扮した聖海由侑(せいみ・ゆう)李鴻章(凪七瑠海)の咲城けい。王逸(一禾)の蒼波黎也(あおは・れいや)らもそれぞれ与えられた役どころをしっかりと自分のものにしていた。娘役ではミセス・チャン(夢白)の愛陽(まなみ)みちが本公演より出演場面が多く印象に残った出演者人一人一人が役になりきって生み出された奇跡的な舞台だった。

 

©宝塚歌劇支局プラス1018日記 薮下哲司


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