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Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
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湖月わたるらOG8人の華やかな競演「8人の女たち」大阪公演開幕

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湖月わたるらOG8人の華やかな競演「8人の女たち」大阪公演開幕

演劇界のヒッチコックといわれるフランスの劇作家ロベール・トマの傑作戯曲を元宝塚歌劇のトップスターとトップ娘役で上演する話題の舞台「8人の女たち」(板垣恭一上演台本、演出)大阪公演が9日、梅田芸術劇場シアタードラマシティで開幕した。歌もダンスもないストレートプレイだが、鼻歌やちょっとした動きに元ジェンヌらしさがのぞき、ゴージャスで華やかな舞台に仕上がった。

2002年の映画版はフランス映画界のトップスターがずらり勢ぞろい、2012年の二法人キャストバージョンも大地真央や加賀まりこなど豪華スターが集結して話題を呼んだが、今回も宝塚ファンなら見逃せない豪華メンバーが集まった。

クリスマスの朝、雪深い人里離れた山奥の邸宅で主人のマルセルが死体で発見されたことからこの話は始まる。容疑者は8人の女たち。妻のギャビー(湖月わたる)その娘シェゾン(蘭乃はな)と妹のカトリーヌ(花乃まりあ)ギャビーの母マミー(真琴つばさ)ギャビーの妹オーギュスティーヌ(水夏希)マルセルの妹ピエレット(珠城りょう)そして古参メイドのシャネル(久世星佳)と新米メイド、ルイーズ(夢咲ねね)だ。

マルセルが死んだことで8人の女たちの秘密が次々に暴露され、誰もが犯人といっていい動機をもっていることが明らかになってくる。犯人はいったい誰なのか?

板垣演出は8人全員が赤を基調としたゴージャスな衣装でポーズするプロローグを新たに付け加え、これがいかにも宝塚版というにふさわしい華やかでスタイリッシュ。レビュー感覚で一気に舞台に入り込めた。

舞台自体も、湖月を中心に宝塚OGならではの息の合い方で、見ていても安心感があり、真琴が湖月と水の母親役という驚きもさながら、蘭乃や花乃が上級生にまじって遠慮なく堂々と演じているさまもなんだか新鮮で面白かった。

映画版やほかの舞台とは違った宝塚OGならではの独特の面白さがあり、今後もキャストを変えて何度も上演するに堪えうる舞台に仕上がった。


OGといえば元雪組のトップ娘役、真彩希帆が京本大我と共演した「流星の音色」(滝沢秀明演出)が、先ごろ新橋演舞場と南座で上演された。京本が作曲も担当、京本、真彩ともに歌唱は抜群、さらに新妻聖子も加えて歌は充実していて聴きごたえがあったが、七夕をテーマにしたストーリーが平板で先が読めて面白みに欠けた。ラストの本水を使ったスペクタクルなシーンは迫力満点だったが見る者に水の無駄遣いと思わせるようではなんとももったいなかった。宝塚OGとしては元花組の実力派、翼悠貴こと福麻むつ美の元気な姿が久々に見られたのがうれしかった。

©宝塚歌劇支局プラス9月9日記 薮下哲司

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