92期から100期、同期生の絆を大特集!「宝塚イズム45」発売!
宝塚歌劇唯一の評論誌「宝塚イズム45」(青弓社刊、薮下哲司、橘涼香編、定価1600円税抜き)が完成、7月から順次、全国大型書店の店頭に並びます。今号は宝塚歌劇ならではの”同期生の絆”にテーマを絞り、同期生同士のオフでの結束や舞台で繰り広げる独特の呼吸が生み出す親密さについて、OGへのアンケート集も含めて論じていきます。
宝塚歌劇はご存じの通り、宝塚音楽学校に入学、二年間の研修期間を修了したものだけが入団できる劇団です。宙組が誕生した1998年以降、50人が入学したこともありましたが現在は40人が通例で、たいてい1人か2人が健康上の理由などによって途中でリタイア、ここ数年、二年後の入団時は38、9人といった感じで推移しています。ちなみに今年の初舞台生108期生は38人でした。
毎年、全国から1000人近い応募があり、20倍以上の難関ですので、入学したからには卒業までは初志貫徹してほしいとは思うのですが、そのあたりは部外者にはうかがい知れないことがあるようです。音楽学校のカリキュラムを見ると、歌唱(ポピュラー、クラシック)、日舞、ダンス、演劇など実技演習が1週間ぎっしり詰まっていてさすが舞台人育成のための学校の名にはじません。表現することを学ぶという意味ではこれほど贅沢な学校はなく、舞台人としての基礎を学ぶには申し分のない学校です。
音楽学校は、中学卒業から高校卒業まで受験できるので、同期生といっても年齢は中卒時点で15歳、高卒で18歳ですから、年の離れた姉妹くらいの差があり、技量もまちまちなので授業はA、B二班に分けて行われることが多いようです。
舞台人としての迅速な判断を養うため、上下関係にことのほか厳しく、学校内での礼儀作法もうるさかったのですが、近年、社会全体のハラスメント抑止の風潮によって、音楽学校の教育方針も以前とはずいぶん変わって来たようです。音楽学校名物だった予科生(1年生)による早朝の校内清掃も3年前から廃止されたと聞いています。とはいえ青春真っただ中、二年間の寮生活で培った競争心と友情は、生涯続き、同期生から生まれたスターは同期の誇りとなって、同期全員のシンボルのような存在になります。
特集ではそんな同期愛について、さまざまな論考が集まりました。期によって微妙に特徴が異なるのもわかります。真風涼帆らの92期、彩風咲奈らの93期、礼真琴、柚香光、月城かなとらの95期はじめ風間柚乃、星風まどからの100期生にまで話は及びます。湖月わたる、朝海ひかるらOGたちからも同期愛をつづったたくさんの熱いメッセージが届き、紹介しています。
一方、3月末で退団した演出家、上田久美子退団の真相とその影響に言及、ポスト上田の登場を期待して有望な若手作家たちにもスポットを当てました。小特集は「躍進する若手作家たち」として「元禄バロックロック」の谷貴矢はじめ“宝塚ヌーヴェル・ヴァーグ”と呼ばれる指田珠子、野口幸作ら、今後の宝塚歌劇の担い手になるであろう若手作家にエールを送っています。
ほかにも「夢介千両みやげ」など本公演評や新人公演評、望海風斗退団後初ミュージカルなどのOG公演評、OGインタビュー(実咲凛音)など読み応えたっぷりの一冊です。ぜひお手元にとってご覧ください。
直接購読は青弓社☎03(3268)0381
FAX0120(55)3746までお申し込みください。
↧
92期から100期、同期生の絆を大特集!「宝塚イズム45」発売!
↧