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北翔海莉ら星組メンバーがディズニーと宝塚のコラボに挑戦
北翔海莉を中心にした星組によるドラマティック・レビュー「Love & Dream」(斎藤吉正作、演出)大阪公演が23日、梅田芸術劇場メインホールで始まった。東京公演を終え、余裕たっぷりの北翔らメンバーのリラックスした雰囲気が楽しいステージとなった。
暗転した場内には七海ひろきら妖精たちが下りてきてごあいさつ。第一部の「ソングス ディズニー」はいきなり夢の世界からスタート。幕が開くとそこは12時5分前の夢の駅。夢先案内人の車掌に扮した北翔が「夢の街」行きの切符をという旅の少女、妃海風を、名曲「星に願いを」を歌いながらディズニーの愛と夢の世界に誘っていくという展開。その世界は七つの国に分かれていて、ディズニー・アニメの名曲の数々を7章に分けて歌い継いでいく。
最初は「イン・トゥー・ザ・ウッド」。森の世界というわけ。七海を中心にした「白雪姫」の7人の小人たちのテーマソング「ハイ・ホー」から始まって北翔が「ミッキーマウス・マーチ」そして「シンデレラ」から魔法使いのおまじない「ビビディバビデブー」などなど懐かしいディズニーのテーマソングメドレーを歌い継いでの華やかなプロローグ。歌やダンスで十輝いりすと七海ひろき、十碧れいやと麻央侑希がペアになり、場面をつないでいく。
二番目のコーナーは、プリンセスがまだ見ぬプリンスを夢見る、ディズニーならではの恋へのあこがれの歌の数々が登場。「魔法にかけられて」の「真実の愛のキス」から始まって妃海が「白雪姫」の「いつか王子様が」や「不思議の国のアリス」などを歌い継ぐ。
「ミラクル・オブ・ザ・シー」は海の世界。「リトル・マーメイド」の「アンダー・ザ・シー」が登場。「バイ・サンシャイン」では北翔が「ヘラクレス」などの陽気な主題歌を披露。次いで「マジック・オブ・ライト」コーナーでは客席での妖精たちのエレクトリカルパレードから始まって「メリーポピンズ」の「チムチムチェリ―」などが登場。「フレンド・ライク・ミー」で会場が最高潮に達したところで、北翔が「アラジン」の「ホール・ニュー・ワールド」。妃海が「ありのまま」で有名な「アナと雪の女王」の大ヒット曲「レット・イット・ゴー」を圧倒的歌唱力で披露。間髪を入れずに「塔の上のラプンツェル」の「自由への扉」を熱唱、大いに盛り上がったところでフィナーレの「ギャラクシー・ドリーム」につないだ。
ここでは「ピーターパン」から「右から2番目の星」フライングシーンに流れる「きみもとべるよ!」を北翔が。そしてラストはきらめく銀河の階段が大階段が登場。妃海扮するエンドレスヒロインが北翔扮するエンドレスヒーローからガラスの靴をはかせてもらってハッピーエンディング。曲は「シンデレラ」から「これが恋かしら」そして「夢はひそかに」で、最後は「星に願いを」をリフレインして、夢のディズニーを歌い締めた。
ディズニーのキャラクターは一切でず、楽曲だけのメドレーなので、曲を知らないとイメージがつかみにくく、せっかくのディズニーの名曲が宝の持ち腐れになった場面があったのが残念だったが、北翔と妃海の歌唱力と楽曲の素晴らしさがそれを補ってあまりあった。
休憩をはさんだ第二部は「シングス タカラヅカ」で、「すみれの花咲く頃」から「ノバ・ボサノバ」まで文字通りタカラヅカ名曲メドレー。各パートの合間には北翔を中心としたちょっとしたコントや北翔のこれまでの名場面再現などがあって、なんだか豪華なメモリアルショーといった感じ。なかでも「雨に唄えば」のリナ・ラモントの再現や、バウ公演「セカンドライフ」は懐かしかった。「華麗なるギャツビー」からの「朝日の昇る前に」や「セ・マニフィーク」さらには「ブラック・ジャック」の「かわらぬ思い」など北翔で聴きたかった名曲が次々に登場、堪能させられた。若手実力派も起用、ひろ香祐の「王家に捧ぐ歌」が印象的だった。フィナーレは「ノバ・ボサノバ」メドレー。夏樹れいと音咲いつきが「アマール・アマール」と「シナーマン」のソロで起用され、いずれも好唱したのが印象的。もちろんラストは北翔が圧倒的な歌唱で締めくくり、拍手が鳴りやまぬまま幕となった。そして、カーテンコールはプロローグに戻って全員がラフなスタイルで登場、若手たちもソロで歌いながらの賑やかなパレードとなった。
この作品のための新曲がない珍しいレビューで、特に凝った衣装や装置もなく、まさに中身で勝負といった感じのレビュー。北翔と妃海の歌唱力で約二時間半を持たせたのはさすがだった。カーテンコール後のあいさつで北翔は「当初、東京だけの予定でしたが、急きょ追加になり、大阪の皆さんにも見て頂くことができて本当にうれしい。皆さんのご声援のおかげです」と感謝の言葉。ファンも総立ちのスタンディングでこれに応えていた。
©宝塚歌劇支局プラス1月23日記 薮下哲司
「麗人REIJIN―Season2」発売を記念、壮一帆、榛名由梨、高汐巴が大阪でイベント
「麗人REIJIN―Season2」発売記念の握手&サイン会が23日、大阪・北区茶屋町のNUタワーレコードのイベント会場で行われ、榛名由梨、高汐巴、壮一帆の出席、ファン約100人が集まった。CD1枚購入すると握手が、2枚購入するとCDにサインをしてもらえるとあって、会場は熱気があふれかえっていた。
15時ジャストに、黒のパンツ姿で登場した3人に、参加者は「わあー」「きゃー」と一斉に大歓声。33期の差があるのに、舞台にいますぐ立てるような男前ぶり、男役の立ち振る舞いに、ファンたちはうっとりしてトークを一期一句聞き漏らさないように聞き取っていた。
それぞれが収録した曲は各人がチョイスして決定、石原裕次郎の「粋な別れ」を歌った榛名は「耳に残っている曲で今回のオファーがあって思い浮かんだ」。上田正樹の「悲しい色やね」を選んだ高汐は「若いころは大阪が素敵な街とは気づかなかったがこの年になって大阪の良さを琴線に触れるように歌いたいと思った」。スピッツの「ロビンソン」を歌った壮は「実は2曲(藤井フミヤの「ツルーラヴ」)選曲していたが、前回の「黒い花びら」から一転して少年ハートな感じで壮大な曲をと、情感が浮かんで曲の相性もあった」とそれぞれ選曲の理由。また3人ともが「自分なりの曲にして心を込めて歌った」ことや「舞台でトレーニングしてきた大きな声がレコーディングでは違う声の出し方があって難しかった」と苦労話を吐露していた。「歌謡曲と宝塚の曲は似ているところがあってどちらも素敵だが、選曲が難しい」との裏話も飛び出したが、このような企画は、元タカラジェンヌやそのファンには根強い支持があり、今後も継続を望む人が多いことが、この日の盛況ぶりでもよくわかった。
トップを体験し退団した3人は「時代が違っていようが、退団してなおかつ自己研鑽し高みを目指す仲間は会ったことがなかろうが姉妹のようなもの」だと声をそろえてこの宝塚歌劇団の一員であったことに感謝。退団後に得た苦労や体験、喜びや悲しみなど、人生に厚みを増した今だからからこそ歌える声で謳歌した新しいCDづくりの体験を語る3人から、生きることの大切さが伝わってくるようだった。(レポート・友田尋子)
©宝塚歌劇支局プラス1月23日記 薮下哲司
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