告知ポスターより転載
鳳蘭、久々の里帰りトークライブ、宝塚ホテルで「宝塚よもやまばなし」開催
宝塚の歴史に残るトップスター、鳳蘭が、4月17日、宝塚ホテルで「宝塚よもやまばなし」と題したトークライブ〈植田紳爾構成、演出〉を開いた。2月に予定されていた催しだったが、折からのコロナ禍第6波の影響で延期になっていたものだ。𠮷田優子さんのピアノ伴奏のみのシンプルなステージだったが、ツレちゃんこと鳳の圧倒的な存在感でファンを魅了、フランクなトークとともに極上のエンターテイメントショーだった。
冒頭、暗転して鳳の声が聞こえてきた。1979年8月31日、熱狂のなか千秋楽を迎えたサヨナラ公演千秋楽。その3日後、歌劇団の残務処理に事務所を訪れた時、嵐のあとの静けさともいうべき静寂に「宝塚というところの残酷さを感じた」と述懐。しかし、在団17年、トップスター在位10年間の宝塚生活は「何物にも代えがたい財産」と語り、「きょうは宝塚の曲とまだ誰にも話していない懐かしいお話をいっぱいしましょう」と宝石を散りばめた華やかな衣装で登場。まずは「セ・マニフィーク」で軽快にスタート。盛り上がったところで退団公演となった「白夜わが愛」の主題歌、「風と共に去りぬ」から「さよならは夕映えの中で」。「ベルサイユのばら」から「愛あればこそ」と代表作をメドレー。ここで名コンビだった娘役トップスター、大原ますみがサプライズで登場。「わが愛は山の彼方に」をデュエットするとムードはすっかり昭和の大劇場。
鳳と大原は100周年のイベント以来の再会というが、デュエットは「それこそ何十年ぶり(笑)」といいながらも息はぴったり。大原の豪華な赤いドレス姿のすそさばきがさすがでゴージャス感が漂った。
スペシャルゲストはもう一人、元星組の新城まゆみが登壇、鳳の「宝塚よもやまばなし」のお相手をつとめた。大先輩の沖ゆき子さん、神代錦さん、上月晃さんらの面白エピソードから、当時のさまざまなスターの舞台での失敗談や㊙エピソードの披露に、OGの姿もちらほら見える会場は爆笑の連続、「この調子でしゃべっていたら明日の朝までかかるわ」とトークに花を咲かせていた。
トークが一段落したところで大好きな歌という「セ・シャルマン」を現役時代そのままに、ついでシャンソン「三文役者」をしっとりと歌いこみ、最後は極めつけ「愛の讃歌」でライブを締めくくった。アンコールは会場一体となって「すみれの花咲くころ」の大合唱。鳳の宝塚愛にみちあふれたエンターテナーぶりに集ったファンの表情も幸せ一杯といった感じだった。
©宝塚歌劇支局プラス4月18日記 薮下哲司
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