撮影:阿部章仁
「スペシャルなショーをお届けします」
アダム・クーパー主演「雨に唄えば」大阪公演18日から開幕
カリスマダンサー、アダム・クーパーが主演するミュージカル「SINGIN IN THA RAIN~雨に唄えば~」が、東京公演を経てついに18日からオリックス劇場で大阪公演の幕を開ける。コロナ禍での延期を乗り越えて開幕した喜びと大阪公演をまちわびる観客に向けて、東京公演中のアダム・クーパーがリモート会見に応じてくれた。
ジーン・ケリー主演のミュージカル映画の傑作を舞台化したもので、クーパー版は2012年にロンドンで誕生。東京ではすでに2度上演されているが、今回初めて大阪公演が実現する。連日14トンもの雨をステージ上に降らせるダイナミックなステージ、有名なタイトル曲を口ずさみながらアダム・クーパーが雨の中を歌い踊るシーンが最大の見どころだ。
アダム・クーパーといえば英国ロイヤルバレエのプリンシパルとして活躍し、マシュー・ボーン振付の斬新な「白鳥の湖」の王子役、映画「リトルダンサー」の主人公の成長した青年役などで超人気のバレエダンサーだが、子供のころはタップダンサーになるのが夢だったのだとか。「6歳でタップを習い始めたのがきっかけで、その後バレエをやり、この作品でタップに戻ってきました。僕にとってのヒーローはジーン・ケリーやフレッド・アステア。そんなヒーローの役を演じられること、それもコピーではなく自分自身のバージョンとして演じられることはとても光栄なことです」といい、初演から11年「今やこの舞台は僕にとってスペシャルな舞台、大阪でもスペシャルなショーをお届けします」と胸を張った。
「雨に唄えば」自体は宝塚でも安蘭けいが星組で初演して以来、何度も上演されており最近では珠城りょうによる月組公演があったので、すでにご存じだろうと思うが物語の舞台は1920年代のハリウッド。隆盛を誇っていたサイレント映画が、次第に音声付きのトーキー映画にとってかわられようとする時代、スター俳優のドン(アダム・クーパー)は相手役の大女優リナが悪声だったため新作のトーキー映画は大不評、起死回生を狙い作曲家のコズモと若手女優のキャシーとともにミュージカル化を思いつくが……。時代の変わり目のドタバタをコミカルに描いたミュージカルだ。
東京公演はコロナ禍の影響で開幕が延期「来日ができないかもしれない沈んだ気持ちになりましたが、こうして開幕できて胸がいっぱい。スタッフ、キャストとともに関係者の方々に感謝の気持ちでいっぱいです」と今の気持ちを語る。バレエでは何度も大阪で公演しており「今回もきっと喜んでもらえると思う。人生に光と恵みの雨をもたらしてくれるので僕自身演じていて楽しいし、見るに人には喜びを与えてくれる作品です」と大阪公演への抱負を笑顔で語ってくれた。すでに公演回数は700回を超え「マラソンくらいの運動量があるので年齢的にそろそろかなあ」と今回のツアーが見納めという。そう聞けば見届けたくなるのは人情だろう。
大阪公演は18日から21日までオリックス劇場で。
「コオロギからの手紙」に汐美真帆が出演!
〇…映画「ひとくず」が話題になった上西雄大監督率いる劇団テンアンツ公演「コオロギからの手紙」が、大阪ABCホールで14日まで上演中。昭和37年(1962年)の神戸を舞台に、字は読めないが心優しいヤクザの青年と小学校の新米女教師との心温まる交流を描いた感動の舞台で、熟練の映画俳優や吉本新喜劇のベテランにまじって元宝塚星組の汐美真帆が和服姿もさっそうとスリの役で出演、ひときわ舞台に華やかさを醸している。甲南女子大学看護学科の友田尋子教授がぶっ飛んだ主婦役で女優デビューしているのも注目!