©️宝塚歌劇団(ポスター画像を転載)
愛月ひかる、念願の「うたかたの恋」をさよならショーで実現
宝塚大劇場星組公演「柳生忍法帖」「モアーダンディズム」が11月1日千秋楽を迎え、終演後、二番手スター、愛月ひかるのさよならショーが行われ、全国映画館でライブビューイング、ライブ配信された。愛月は黒燕尾で登場、群舞のセンターで踊り、念願だった「うたかたの恋」の一場面を演じるなど、二番手スターとしてはこれ以上ない破格のさよならショーで大劇場最後の日を飾った。
「モアーダンディズム」が終わり、いったん降りた緞帳が再びあがると、愛月が大階段中央に飾りのついた燕尾服で登場。宙組時代、新人公演で主演した「誰がために鐘は鳴る」の主題歌「幸せの鐘の鳴る日」からスタート。客席ははやくもペンライトの洪水となった。続いて初舞台だった星組公演「シークレットハンター」から「Eres mi amour~大切な人~」そして、先日主演したばかりのバウホール公演「マノン」の「マドリードへ」をバックに男役メンバーを従えて燕尾服の群舞。センターで踊る愛月のポーズがかっこよく決まった。
続いて紫月音寧、夢妃杏瑠、漣レイラ、彩葉玲央、湊瑠飛、澄華あまねの退団者6人が「ブーケ・ド・タカラヅカ」を歌いながら銀橋へ。
その間に着替えた愛月は金ボタンのついた純白の軍服姿でとドレス姿の舞空瞳と大階段に登場。イントロが始まると満員の場内からは思わずため息が。愛月が「宝塚おとめ」の演じたい役にあげていた念願の「うたかたの恋」だ。ルドルフ皇太子のセリフ入りの主題歌を舞空と美しいハーモニーで披露、作品世界を再現した。
続いて星組組替え後の初出演作「Ray星の光線」から「ユーアーマイサンシャイン」を礼真琴はじめ星組全員で歌い継ぐ中、真っ白なローブを着た愛月が再び登場、愛月を中心に「不滅の棘」から「バンバン」をにぎやかに歌って約15分のショーの幕を閉じた。「うたかたの恋」再現が、最高のプレゼントとなったさよならショーだった。
緑の袴姿で臨んだ退団のあいさつには宙組の同期生、芹香斗亜が花束をプレゼント。愛月は「宝塚は私のすべてでした。あこがれが強すぎて葛藤もありましたが”宝塚が好き”という気持ちでここまでやれました。男役には極めるという完成はありません。東京の千秋楽まで自分の男役というものを作り上げていきます」と力強くあいさつ。一点の曇りもない笑顔がなんともさわやかだった。
最後に礼真琴が「誰一人休演者がなく千秋楽を終えられて今ホッとしています」と無事公演を終えられたことに感謝の言葉をのべたあと愛月の卒業について「濃い時間を過ごしてきて悲しくないわけがありません。短い間でも男役とはということを学ばせて頂けて幸せでした。東京公演千秋楽まで少しでも多くのことを吸収したい」と別れを惜しみ、愛月も「お芝居では憎みあう役ばかりだったのが残念だったね」と笑いながら仲のいいところをみせつけていた。
愛月はこのあと11月7、8,9日に宝塚ホテルでディナーショーを開催。9日公演分が昼夜ともライブ配信されることが決まり発表されている。
©宝塚歌劇支局プラス11月1日記 薮下哲司
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