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Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
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実咲凛音×妃海風、95期娘役トップコンビでディナーショー

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チラシを転載

実咲凛音×妃海風、95期娘役トップコンビでディナーショー

元宙組の実咲凛音と元星組の妃海風、95期優等生の元娘役トップ二人が29日、宝塚ホテルで「My Dear Diamond」(三木章雄構成、演出)と題したジョイントディナーショーを行った。もともとは昨年夏に行われる予定だったが、コロナ禍で延期に次ぐ延期、ようやく実現にこぎつけたものだが、待ったかいのある実力派二人ならではのゴージャスなショーに仕上がった。

 暗転した舞台にスポットが入ると実咲が白、妃海が淡いピンクの豪華なドレスで登場。ミュージカル「Dreamgirl」のデュエットから華やかにスタート。オープニングからため息の出るゴージャスさ。終わって早速二人のMC。95期のなかでも特に親しかったという二人「一時はもう無理かと思ったけれど4度目の正直でやっと実現しました」などと笑顔満面でこの日を迎えられたことを喜んだ。

 引き続き、懐かしい宝塚時代の主題歌コーナー。まず初舞台「Amourそれは」を二人で披露、妃海が「南太平洋」から「底抜けの楽天家」を歌えば実咲が「カナリア」から「幸不幸」を歌うといった具合。妃海がショーで歌ったディズニー映画「魔法にかけられて」の主題歌「想いを伝えて」実咲が新人公演でクリスティーヌを演じた「ファントム」の「My True Love」妃海が「こうもり」から「失礼な冗談ね」実咲が歌劇「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」と続くと、もうディナーショーというよりは立派なコンサートだった。
 
「風と共に去りぬ」からスカーレット1、2のデュエット「私とあなたは裏表」は娘役二人のショーならではの選曲。豪華なドレスがこの歌にぴったりだった。トップ時代の代表曲として実咲が「王家に捧ぐ歌」から「アイーダの信念」。妃海は「ガイズ&ドールズ」から「もし私がベルだったら」を歌い継ぎ、コーナーラストは再び初舞台の「Amourそれは」から「オ・ララ・アムール」を二人で歌って締めくくった。

続くミュージカル「Wicked」から親友同士のヒロインが歌う「あなたを忘れない」のデュエットもこの二人ならではの選曲。実力派歌手がそろわないとなかなか聞けない貴重な曲を息の合ったハーモニーで披露、耳福だった。

ここで二人は黒のタイトな衣装に着替え、ピアソラの名曲「リベルタンゴ」にのって見事なタンゴデュエットを披露。途中それぞれがマイクの前で歌い、ソロで踊る場面もあるなど、歌とダンス両方で魅了、このショー最高の見せ場を作り上げた。
ショーはまだまだ続くが、この先は宝塚のあとにある東京公演では曲が変わるので、このあとはお楽しみということにしておこう。95期といえば男役の同期生が次々に各組のトップスターに就任、まさに今が旬といった感じだが、この二人はすでに退団して各方面で活躍中。実咲は、12月に東京で和央ようかのディナーショーに出演後、2月に日生劇場での松本白鴎ファイナルステージとなる「ラ・マンチャの男」にアントニア役で出演、妃海も来年3月、帝国劇場でのスタジオジブリのオリジナルミュージカル「千と千尋の神隠し」のヒロイン千尋の母親役を元雪組の咲妃みゆとダブルキャストで演じることが決まっている。そんな充実した仕事ぶりがステージからも匂いたつ素敵なディナーショーだった。

©宝塚歌劇支局プラス10月29日記 薮下哲司

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