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Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
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元宙組トップ、和央ようか15年ぶり里帰りコンサート「HELLO AGAIN」

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photo by Tetsuji Yabushita 

©宝塚歌劇支局プラス


元宙組トップ、和央ようか15年ぶり里帰りコンサート「HELLO AGAIN」

元宙組のトップスター、和央ようかが、退団15年記念となるディナーショー「HELLO AGAIN」(小池修一郎構成、演出)を23日、宝塚ホテルで行った。

このディナーショー、昨年、ホテル開業記念の一環として開かれる予定だったのだが、コロナ禍で今年7月に延期、ところがそれも第5波襲来で再び延期、このため共演も当初予定されていた元宙組娘役トップの実咲凛音から、急きょ元星組トップ娘役、綺咲愛里がピンチヒッターで登板することになるなど、紆余曲折を経てようやく実現の運びとなった。とはいえ演出の小池のほか音楽監督が𠮷田優子、振付がAYAKO、演奏がザ・スクラッチ、コーラスも退団して間もない元宙組の澄輝さやと、華妃まいあが参加というなんとも贅沢なショーとなった。

暗転したステージ中央からスポットを浴びて登場した和央は、真っ黒なマントを翻し第一声が「僕の叫びを聞いてくれ」から始まる「ファントム」の主題歌。「where in the world」と続けて一気に和央の世界に引きずり込んだ。

「お久しぶりです。帰ってきました」と里帰りの報告とディナーショー開催が遅れたことのお詫びのMCのあとは「TAKAKOS  TAKARAZUKA」と題した宝塚コーナー。マリーに扮した綺咲を相手にセリフ入りの「うたかたの恋」を皮切りに「WING!」まで一気に8曲をメドレーで披露。選曲は昼夜で微妙に変わるというが、どれも懐かしい曲ばかり。コーナーのラストを飾ったのはもちろん「NEVER SAY GOODBYE」。綺咲とのデュエットなど3曲を披露。来年2月に宙組で再演される話題も披露してPRに一役買っていた。

 続いて綺咲、澄輝、華妃もまじえてメンバー紹介を兼ねたMC、和央と同じ舞台に立ったことがあるのは澄輝だけだが、澄輝にとって和央は「雲上人だった」といって笑わせ、華妃にいたっては「ファン時代の憧れのスターさんで”ネバーセイ”は客席で10回見ました」といって和央を驚かせていた。実咲のピンチヒッターで急きょお相手を務めることになった綺咲も「まさかこんな機会が来るとは夢のようです」と夢心地。みんなが和央を中心に和気あいあいのステージを現出させていた。

 ここで澄輝と華妃のデュエットで「レビュー伝説」続いて綺咲が和央の夫であるフランクワイルドホーン作曲による「スカーレットピンパーネル」から「あなたを見つめると」をしっとりと歌い、純白のパンツスーツに着替えた和央のワイルドホーンメドレーにつなぐという粋な演出。

 退団後にドラキュラ役で出演した「ドラキュラ」から3曲、来年日本での上演が予定されている「ジキルとハイド」から「THIS IS THE MOMENT」そしてこのショーにために和央が作詞、ワイルドホーン氏が作曲した新曲を披露して約1時間半のディナーショーを締めくくった。会場にはワイルドホーン氏の姿も見え鳴りやまぬ拍手に和央がカーテンコールに選んだ曲は、極めつけの一曲だったがここで思わぬハプニングが。これは東京公演もあるのでお楽しみに取っておこう。

 和央が退団後、宝塚に里帰りしたのは100周年の式典の時と宙組20周年イベントの時と2回あるそうだが自分のショーをするのは初めて。「新しくなった宝塚ホテルに呼んでいただけて本当にうれしかった」と退団後15年目の里帰りの感想。実現まで紆余曲折はあったが在団時の懐かしい思い出と退団後の和央の現在の充実ぶりの両方を楽しむことができた幸せなステージだった。

なお東京公演【12月22、23日東京会館】には予定通り元宙組娘役トップの実咲凛音がゲスト出演する。

©宝塚歌劇支局プラス10月23日記 薮下哲司


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