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Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
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美弥るりか、自然体の男役で魅了、仙名彩世も好演!「グレートプリテンダー」大阪公演

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美弥るりか、自然体の男役で魅了、仙名彩世も好演!「グレートプリテンダー」大阪公演

人気テレビアニメの舞台版、音楽劇「グレートプリテンダー」(河原雅彦演出)大阪公演が8月4日、オリックス劇場で始まった。主人公のエダマメこと枝村真人をジャニーズの人気グループKis-My-F12の宮田俊哉が演じるというので、超人気公演となっているが、宝塚ファン的には元月組の美弥るりかが退団後初めて男役で登場すること、また元花組トップ娘役の仙名彩世がFBIの女捜査官役で出演することなどで話題になっている音楽劇。二人とも期待にたがわぬ活躍ぶりで、舞台を大いに盛り上げた。

日本一の詐欺師といわれる枝村(宮田)が取調室で検事の北大路(加藤諒)に取り調べを受けているところから舞台はスタート。なんでもこれまで働いてきた罪を償いたいと、アメリカでの”事件”を話し出す。という展開で、ロサンゼルスマフィアとFBIを巻き込んでのサクラマジックなる合成麻薬にかかわるとんでもない詐欺の話が始まる。

美弥は、ローランという謎のフランス人。枝村がカモろうとして逆にカモられ、一緒にロサンゼルスに行く羽目になってしまう。詐欺事件の中心人物といった設定で、とにかくその自然体の男役演技が男性相手にも断然かっこよく、独特の目力と口跡のいいセリフに加えてキレのいい身のこなしで完全に舞台を支配した。初めて美弥の舞台を見た観客が多かったと思われるが、休憩中、パンフレットの美弥のページを開いている女性客が圧倒的に多かったのがそれを証明していた。新たなファンを取り込んだのは必至だ。

女性が演じる男役に抵抗がなくなってきたこともあるだろうが、スカイステージやライブ配信などで化粧がシンプルになり、いわゆる男役臭さがなく男性陣に混じっても何の違和感もなかった。今後の宝塚OGの活躍のジャンルが広がる可能性すら感じさせた。

一方、ラウンジバーの歌手として登場、真っ赤なドレス姿でジャジーな歌をかっこよく歌い、実はFBIの女捜査官というポーラ役の仙名も、とんだどんでん返しのヒロイン役で痛快この上ないもうけ役。宝塚時代は決して派手な方ではなかったのだが、大劇場で培った華やかな演技は、外の世界ではさすがに映えて、ひとまわりもふたまわりも大きく見えた。

エダマメ役の宮田のたよりなげな演技も初々しく好感が持てたが、この「コンフィデンスマン」の物語。面白く見られたのはタカラジェンヌ二人の好演によるところが大きかった。演出の河原氏は「ミヤコレクション」の演出家で、美弥の持ち味を熟知していたことが最大の勝因だったと思う。

©宝塚歌劇支局プラス8月4日記 薮下哲司

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