Quantcast
Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
Viewing all articles
Browse latest Browse all 575

望海風斗、退団後初コンサート「SPERO」舞台稽古開催

$
0
0



望海風斗、退団後初コンサート「SPERO」舞台稽古開催

元雪組のトップスター、望海風斗の退団後初コンサート「SPERO」(川崎悦子構成、演出)は梅田芸術劇場メインホールで2日初日を迎えるが、1日、舞台稽古が本番通りに行われた。大阪は2日から緊急事態宣言が発令されるが、コンサートは感染予防を徹底して予定通り開催される。

コンサートは、映画、ジャズ、ミュージカル、J-ポップの4つのコーナーに分かれていて、衣装もその雰囲気に合わせて早変わりするおしゃれな構成。もちろん宝塚の曲も忘れずにきちんと数曲あった。

望海によると「当初、過去と未来の二面性に焦点を当て、これまでの思いとこれからの可能性を考えて曲を選んでいた」というが「歌いたい曲がありすぎて二面では足りず四面になってしまった」と笑う。セットリストは諸般の理由から規制があって、詳しくは書けないのが残念だが、抜群の歌唱力を誇る望海ならではの幅広い楽曲が次から次へと登場、ダンサー陣との軽快なステップによるダンスもふんだんにあって、望海ならでは聞きごたえ見ごたえ十分のレベルの高いコンサートだった。

舞台上に生オーケストラが入り、ゲストダンサーの佐藤洋介を中心に7人のダンサー陣を従えて、深い緑色のコートを着て登場した望海が最初に歌ったのは、宝塚時代に主演したミュージカルからの楽曲。最初からファンにとっては答えられない選曲だろう。引き続き舞台の映像がニューヨークに移り、映画主題歌メドレーへと展開。オードリー・ヘプバーンが主演した「シャレード」のテーマ曲などを歌い継いだ。

ジャズコーナーは、ネイビーのパンツスーツ姿。「ラバーカムバックトゥーミー」からスイング感たっぷりに。佐藤との息の合ったダンスも見ものだ。

ミュージカルコーナーは明るいピンクの衣装をさっと脱ぎ捨てて大月さゆ、小林由香と「ドリームガールズ」をパワフルに。続く、ヒットミュージカルの名曲中の名曲は、望海ならではの選択で、音域の広さをいかんなく発揮、圧倒的な歌唱だった。

4つ目の選択のJポップはグレーのロングプリーツスカート風のパンタロン。徐々に女っ
ぽくなっていく構成だが、ヘアスタイルがショートでボーイッシュな雰囲気なのでまったく違和感なく、退団後半年の望海の自然体のスタイルが、そのままステージに現われた感じ。歌唱も男役の低い声から高音域まで自由自在、鬼束ちひろのヒット曲「月光」など3曲を広い会場のすみずみまで響き渡る芯のある豊かな歌声で歌いこんで魅了した。

フィナーレはロゴ入りTシャツ姿で宝塚時代のショーのテーマ曲で賑やかに歌い踊り、アンコールはこのコンサートのための新曲で締めくくった。休憩なしで一時間半、もっともっと聞いていたいと思わせた。先日、真彩希帆のディナーショーに聴き惚れたばかりだが、二人の抜けた穴の大きさを改めて感じさせた望海のコンサートだった。望海は来年2月、ミュージカル「イントゥ・ザ・ウッズ」の魔女役で退団後初舞台を踏むことが決まったが、さぞすごいことになりそうで今から楽しみになってきた。

なお、ゲストにラミン・カリムルーが出演する8月9日13時の回がライブ配信されることになり、この日発表された。詳細は梅田芸術劇場のホームページで。

©宝塚歌劇支局プラス8月1日記 薮下哲司
 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 575

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>