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寺田瀧雄没後20年追悼コンサートにOG集結!

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寺田瀧雄没後20年追悼コンサートにOG集結!

「ベルサイユのばら」の主題歌など3000曲を残して2000年7月に交通事故で亡くなった宝塚のモーツァルト、寺田瀧雄さんがなくなって21年、昨年行われるはずだった「没後20年メモリアルコンサート All His Dreams”愛”」(植田紳爾監修、三木章雄構成、演出)が、1年遅れて26日、梅田芸術劇場メインホールに満員の観客を集めて開催された。

寺田さんの残した音楽があまりにも多いので、全曲を網羅するのは到底無理、そこで今回は「ベルばら」などでコンビを組んだ植田紳爾氏との作品集と「あかねさす紫の花」など柴田侑宏氏とのコンビによる作品集と2バージョンに分けての開催。26日は、その両方のバージョンをミックスさせたスペシャルバージョンで開幕した。

第一部は鴨川清作、酒井澄夫、草野旦そして三木章雄各氏らのショー作品からの抜粋で、幕開き湖月わたる、朝海ひかるとコーラスメンバーによる「LOVE LOVE LOVE」(鴨川)から華やかにオープニング。真琴つばさ、麻路さき、寿ひずる、涼風真世、白城あやかが歌い継いだ後いよいよ「ベルばら」四天王の登場。まず安奈淳が「ラ・ラ・ファンタシーク」から「愛の宝石」を変わらぬなめらか美声で披露、汀夏子が「ノバ・ボサ・ノバ」から「アマールアマール」榛名由梨が「ファニー・フィーリング」そして鳳蘭が「マイ・ハイ・スイング」から超絶の「スキャット」。懐かしくも新鮮な鴨川メドレーを締めくくった。

続いて杜けあき、剣幸、日向薫、月影瞳、高汐巴、平みち、瀬戸内美八が次々に登場、寺田さんが彼女たちのために作曲したショーの主題歌を歌い継いだ。草野氏の名作「永遠物語」も榛名と白城で再現された。

どの曲もリアルタイムで聞いていた曲ばかりで懐かしかったが、真琴が「ミリオン・ドリームズ」(三木)を歌いだすと1994年のロンドン公演で指揮をされていた寺田さんの姿が昨日のように甦り、同時に走馬灯のように寺田さんとのいろんなことが思い出されて感慨もひとしおだった。

第二部は植田紳爾と柴田侑宏作品集の抜粋版。まずはコーラスによる「夜明けの序曲」。「ベルばら」は「愛あればこそ」を榛名、鳳、汀、安奈がワンフレーズずつ歌い継ぐという豪華版。4人そろったところで思い出話に花が咲き、鳳が榛名にサインをもらいに行ったエピソードを披露して会場を笑いに包んだ。鳳と榛名がしゃべりすぎて安奈は挨拶する間もなく「しゃべる隙間がなかった」と笑いながら退場、会場を沸かせていた。

柴田氏のコーナーは、寺田さんの遺作となった「凱旋門」の「金色の雨」と「雨の凱旋門」を轟悠と月影瞳のオリジナルコンビで再現するところからスタート。退団を発表した轟に温かい大きな拍手が送られた。

続いて「哀しみのコルドバ」から「コルドバの光と影」を安寿ミラが、「忠臣蔵」から「花に散り雪に散り」を杜けあきが熱唱。剣の「川霧の橋」高汐の「琥珀色の雨に濡れて」と続くと、当然ここにいて当たり前の峰さを理不在のぽっかり空いたものを感じた。

フィナーレは出雲綾の「桜の舞」から始まって「愛!」を安奈中心に剣、杜、涼風で歌い継ぎ、「セ゚・マニフィーク」を鳳が歌って会場を盛り上げた。そして全員が登場、「パレードタカラヅカ」と「さよならタカラヅカ」で締めくくった。

寺田さんの作曲人生の充実ぶりが改めて伺える素敵なコンサートで、私自身と寺田さんとの数々の思い出も数多く甦った。このことはまた改めて書くことにしよう。3年後の2024年は「ベルサイユのばら50周年」再びブームが来ることを祈りたい。誰がオスカル役として脚光を浴びるかたのしみなことではある。

©宝塚歌劇支局プラス6月27日記 藪下哲司

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