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Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
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花組トップ娘役、華優希&瀬戸かずや、無観客ライブ配信でサヨナラショー

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 花組トップ娘役、華優希&瀬戸かずや、無観客ライブ配信でサヨナラショー

7月4日の東京宝塚劇場公演千秋楽で退団する花組トップ娘役、華優希と二番手スター、瀬戸かずやが、緊急事態宣言発出によって公演途中で休演となった宝塚大劇場花組公演「アウグストス―尊厳なる者―」「Cool Beast‼」千秋楽の10日、無観客で公演が実施され、全国の映画館でのライブビューイングとネットのライブ配信、加えてCSのスカイステージでサヨナラショーのみが生中継された。

「華優希サヨナラショー」は、パッショネイト・ファンタジー「Cool Beast‼」の幕が下り、高翔みず希組長が華のこれまでを紹介したあと始まった。再び幕が上がると大階段中央にブルーのドレスにティアラを付けた華が登場。初舞台だった月組公演「TAKARAZUKA 花詩集100‼」から主題歌を披露。

同期生の音くり寿、糸月雪羽、聖乃あすか、泉まいら、一之瀬航季、和礼彩が加わってトップ娘役披露となった明日海りおのコンサート「恋するアリーナ」から「輝く未来」。続いて「青い薔薇の精」「はいからさんが通る」とソロで続けた。

ここから燕尾服姿で瀬戸が登場、「風の治郎吉」「蘭陵王」「アイラブアインシュタイン」をメドレーで。「蘭陵王」ではピンクの房をもってセクシーに。そして男役メンバーとともに「マスカレードホテル」のフィナーレの燕尾服の群舞を再現した。

同時に退団する冴月瑠奈、美花梨乃、更紗那知、澄月菜音の4人の歌のあと、純白のドレスに着替えた華と瀬戸も加わって花組のテーマソングとなった「EXCITER」で盛り上がった。

ここで柚香光がせり上がりで登場、華が残って「ナイスワークイフユーキャンゲットイット」から「スワンダフル」のデュエットへ。そのまま柚香と華が「はいからさんが通る」の「風の誓い」に続き、全員での「大正浪漫恋歌」大合唱となって華やかに幕を閉じた。

タイトルはあくまで「華優希サヨナラショー」で、娘役トップのサヨナラショーに男役二番手スターの瀬戸と同時退団者のコーナーがあるといった構成。全体で約15分程度の短いショーだった。

 「はいからさんが通る」の紅緒、「ナイスワーク―」のビリーと活発で押しの強い女性役が似合い、どちらかというと芝居の人で歌の人ではないので、こうやって歌をじっくり聞くと緊張のせいか不安定感ありありで聞いていてはらはらしたが、いかにも宝塚の娘役らしい愛くるしさと名前の通りの華が、そのあたりをカバーしてあまりあった。娘役としてはこれからの人で退団は惜しまれる。

一方、瀬戸は90期生ということでいつの間にかベテランの域に達し、とりわけここ最近の「蘭陵王」「マスカレードホテル」「ハイカラさん―」「ナイスワーク―」そして退団公演となった「アウグストス」のアントニー役とふり幅の広い男役芸に円熟味を増し、柚香を強力にサポートしていただけに抜けた後の喪失感は相当大きいと思われる。サヨナラショーの瀬戸コーナーもいわゆる「花男」の伝統の継承を後輩に託すという瀬戸の熱い思いが込められ、短いながらも濃い内容だった。

挨拶は瀬戸が「宝塚は私のすべてでした。宝塚を愛し男役を追求するなかでいろいろなことがありましたが大切なことも学びました。それは人と人との愛です。愛と幸せに満ちた18年間。感謝の気持ちしかありません」最後にあいさつに立った華は、まずこの日が迎えられたことに対して関係者の人々に感謝の言葉を述べた後「明日海りおさん、柚香光さんのおそばで舞台に立たせて頂けたことで一生分の幸せを頂きました。私は世界一の幸せ者でした」と幸せいっぱいの表情でラストステージを飾った。

無観客とあっていつものように会場からは拍手もなく、舞台上の生徒たちが拍手するだけだったが、最後に柚香が「カメラの向こうからの熱はいつもの舞台以上に痛いほど感じられます」と挨拶したのが印象的だった。

©宝塚歌劇支局プラス5月11日記 薮下哲司


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