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宝塚音楽学校106期生文化祭

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宝塚音楽学校106期生文化祭

宝塚音楽学校の第106期生文化祭が21日、宝塚バウホールで始まった。106期生は39人。音楽学校で学んだ二年間の成果を披露した。

文化祭は、三部構成で、一部が日舞、声楽(クラシック、ポピュラー)二部が演劇、三部がダンス(モダン、バレエ、タップなど)で休憩を含めて約2時間45分。それぞれ成績順にソロや役がつくという分かりやすい発表会だ。昨年から3日間の開催となった。

965人が受験、倍率24・12倍という難関を突破して入学した106期生、健康上の理由で一人が予科で退学、39人が文化祭に臨んだ。

第一部の日舞「清く正しく美しく」は、黒の紋付に緑の袴という音楽学校伝統の正装に扇子を持って格調の高い群舞が繰り広げられた。歌のソロは堀部真未さん。透き通った美しい声を披露した。

予科生(107期生)40人のコーラスのあと声楽は、クラシックボーカルが秋永麗さんのオペラ「蝶々夫人」から「ある晴れた日に」と圓福寺萌花さんのオペラ「トゥーランドット」からの「誰も寝てはならぬ」。どちらも緊張などどこ吹く風、堂々たる歌声で客席を圧倒した。圓福寺さんは日本語の歌詞で歌い、ラストはカゲソロのコーラスまでつくという本格派だった。

ポピュラーは宝塚のヒット曲メドレー。栗原美羽さん、近藤ななさん、濱島里緒さん、平野花奈さんの男役4人による「アイ・ラブ・レビュー」から。そのまま近藤さんが残って「愛のかけら」をソロで披露。近藤さんは上背もあり、舞台のどこにいてもすぐにわかる独特の華やかな個性の持ち主。演劇でも主役クラスを演じており、106期生のスター候補生ナンバーワンといったところ。首席の平野花奈さんは「ONE HEART」をソロで歌ったが途中から106期生全員がコーラスで参加、余裕の歌声で全員をリード、早くもスターオーラが充満した。日舞で歌のソロを担当した堀部さんが「愛の宝石」クラシックの圓福寺さんも「丘の上のジョニー」で再び登場。立派にトリを務めた。

 第二部の演劇「舞台」(谷正純作、演出)は、ニューヨーク、マンハッタンのビルの一室で繰り広げられる新作ミュージカルのオーディション風景を描いた作品。全米各地から集まった役者の卵たちの葛藤を中心に、彼らが演じる「マクベス」の一場面が劇中劇としてインサートされる。演者のさまざまな部分をみてもらおうというなかなか凝った構成。A組とB組に分かれての上演で、私が見たのはA組。主役を狙う二人の若者モーリスが近藤さん、コーネリアスが平野さんだった。首席の平野さんがさすがの演技力で、本公演の舞台で即戦力としてすぐにでも活躍できそうだ。娘役ではジュリア役の香川季子さんにヒロイン役の華があった。

B組はモーリスが濱島里緒さん、コーネリアスを大台咲貴さんが演じた。

第三部のダンスは尚すみれ振付による全員によるスタイリッシュなジャズダンスからオーソドックスなクラシックバレエ、タップダンス、モダンバレエ、全員によるフィナーレと続いた。ジャズダンス、モダンバレエでエッジのきいたダンスを踊った佐々木康葉さんの動きが目に焼き付いた。

化粧のせいか紅ゆずるや鳳月杏に雰囲気がよく似ていたり、なかにはやや健康優良児的スタイルの生徒もいたが全体的にはあかぬけた生徒が多く、そのうえ歌にダンスに芝居にと全体的にレベルが高かったのが106期生の特徴。例年、緊張気味で失敗が多いのがご愛敬なのだが、今年は全員がリラックスしたいい雰囲気だった。もちろん一生懸命なところは変わらず、それが初々しくもあり未知数なところも多い。とはいえ120周年のころにはこのなかからトップスターが生まれているかもしれない。

©宝塚歌劇支局プラス2月22日記 薮下哲司

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