©️宝塚歌劇団
踊るトップスター、柚香光、全速発進!「ダンスオリンピア」
花組の新トップスター、柚香光のトップ披露公演、Grand Festival「DANCE OLYMPIA」-Welcome to 2020-(稲葉太地作、演出)が東京国際フォーラムで上演中。19日、全国各地の映画館でライブビューイングが開催された。東京のみの公演とあって各地で人気を呼び、大阪のTOHOシネマズ梅田ではメーンスクリーン(定員800人)に満席の観客を集めての上映となった。
「DANCE―」は、ダンサーとして優れた資質を持つ新トップ、柚香の魅力をふんだんに見てもらおうという趣旨のダンスショー。二部構成で一部がギリシャ神話に登場する俊足の英雄アキレウスに扮した柚香が、現在のニューヨークにタイムスリップ、神話の登場人物そっくりのストリートダンサーたちと出会い、一緒に踊るうちにオリンピア劇場でダンスのオーディションに出場、見事なダンスを披露するというストーリー仕立てのショー。「ダンシング・イン・ザ・ダーク」のデュエットダンスでは柚香が華優希を片手でリフトするという離れ業も。二部が、太鼓演奏、雷の神シャンゴ、情熱的なラテン、本格的なフラメンコをフィーチャーしたスパニッシュ、そして花組100年を祝った花組主題歌メドレーなど盛りだくさんな内容のバラエティーショー。
柚香はじめこれからの新生花組を担う若手メンバーたちにさまざまな新しいチャレンジを課したショーともなっていて、一部では水美舞斗、永久輝せあ、聖乃あすからがアクロバティックなヒップホップを披露するのがみどころ。柚香ふんするアキレウスは古代ギリシャからタイムスリップしたという設定なので、言葉が通じず、モノローグだけでセリフはほとんどなく、歌もオープニングに主題歌を歌うだけで、タイムスリップしてからはダンスだけで「無言」の行。これにはファンもびっくり。とはいえ登場シーンなどは彫りの深い表情が古代ギリシャの戦闘服にぴったりマッチしてかっこいいことこの上なし。現代にタイムスリップしてからのだぶだぶのズボンはちょっと……。
二部は、激しい和太鼓演奏から始まって、客席を巻き込んでのパフォーマンス、次いでラテンパッションとハードな場面が続くが、極めつけはスパニッシュファンタジー。柚香のフラメンコソロから水美、華とのトライアングルダンス、ステッキをもっての群舞と約10分間ほぼ踊りづめという過酷なシークエンス。柚香は汗一つかかず涼しい表情で踊り、ダンサーとしての本領が発揮された場面だった。ただラストを永久輝の歌のソロにしたのは、永久輝の歌が素晴らしかっただけにちょっと疑問、ここは柚香で締めくくらないとせっかくの熱演が台無しだ。
このあとは水美が「モンパリ」を歌いながら登場。花組100年を祝って、戦前からの花組レビューの主題歌メドレー。「ブギウギ・パリ」から「エイサー」「心の翼」まで次々と懐かしい曲が登場した。柚香もここでようやくダンスだけでなく歌もふんだんに披露。ダンス重視でセーブ気味だった歌を最後にじっくり聞かせるという寸法、声もよく伸びて効果的だった。
全体的には、柚香を頂点に、水美の歌とダンスの強力なサポートぶりが印象的、次いで永久輝と聖乃が男役三番手としてならび、華がヒロインとして花を添える、非常にバランスのいい新体制だった。二部に永久輝がサロメ、聖乃がヨカナーンに扮して妖しいダンスを見せる場面があり、これも魅力的だった。優波慧が若手男役として存在感を増してきたのも頼もしかった。公演は22日まで。
©宝塚歌劇支局プラス1月20日記 薮下哲司
柚香光、大劇場トップ披露公演
花組公演、ミュージカル浪漫「はいからさんが通る」特別鑑賞会
3月26日3時の回、好評受付中!
花組新トップスター、柚香光の大劇場披露公演、ミュージカル浪漫「はいからさんが通る」(小柳奈穂子脚本、演出)は、3月13日から宝塚大劇場で開幕しますが、毎日新聞大阪開発では3月26日(木)3時の回で「第13回薮下哲司さんと宝塚歌劇を楽しむ」として特別鑑賞会を企画、現在、好評受付中です。
当日13時半に宝塚大劇場ロビーTV前に集合、エスプリホールで昼食(松花堂弁当)をとってもらったあと、私が柚香の魅力や公演のみどころを簡単に解説、3時の回をS席(座席は当日までわかりません)で観劇というコースです。参加費は消費税込みで一人14000円。お申し込みは先着150人限定となります。
ミュージカル浪漫「はいからさんが通る」は、1975年から1977年に「週刊少女フレンド」に連載された大和和紀原作による少女漫画の舞台化。大正期の東京を舞台に、眉目秀麗で笑い上戸の陸軍少尉・伊集院忍とはいからさんと呼ばれる快活な女学生・花村紅緒が繰り広げる波乱万丈の恋物語。1978年にテレビアニメ化、その後も実写映画化やドラマ化され2017年には劇場版アニメが公開されるなど時代を超えて愛され続けています。
宝塚歌劇でも1979年にテレビドラマ化、長らく舞台化が望まれていましたが2017年に柚香と華を中心とした花組で上演して大好評を博し、このたび花組トップコンビとなる2人の大劇場お披露目公演として再演が決定したもの。新生花組の魅力をふんだんに盛り込んだ2パターンのフィナーレを新たに加えてパワーアップした「はいからさんが通る」が見られそうです。この日はAパターンのフィナーレです。
一般発売は2月22日ですが、新トップスター、柚香の当たり役による大劇場お披露目公演とあって売り切れ必至の公演になりそうです。1月20日現在で鑑賞会はまだ余裕があります。お誘いあわせのうえお早めに申し込んで頂くことをおすすめ致します。
お問い合わせ、お申し込みは毎日新聞大阪開発☎06(6346)8784(平日10時から18時)まで。
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