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城田優主演、霧矢大夢が美脚を披露、ミュージカル「PIPPIN」12日から大阪公演

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城田優主演、霧矢大夢が美脚を披露、ミュージカル「PIPPIN」12日から大阪公演

 

中世フランスの青年王の成長を描いたミュージカル「PIPPIN」が、東京公演を盛況裏に終えて12日から大阪・オリックス劇場での公演が始まる。城田優が主演、タカラジェンヌOGからは元月組トップスター、霧矢大夢が参加した話題のミュージカルを紹介しよう。私が東京のシアターオーブで観劇した日には、紫吹淳、瀬奈じゅん、彩乃かなみ、そして東京公演中の宙組メンバーが大挙駆けつけ、豪華な客席だった。

 

「ウィキッド」のスティーブン・シュワルツ作曲、「CHICAGO」のボブ・フォッシー演出、振付で1972年に初演された「PIPPIN」は、日本では長らく上演の機会がなく幻のミュージカルといわれていた。初演当時はベトナム戦争の真っただ中、中世の青年王の成長物語に託して「人が生きるうえでの本当の幸せとは何か」というテーマと反戦を高らかに歌い上げてトニー賞を受賞した名作だ。

 

2013年にブロードウェーでシルク・ド・ソレイユ風のアクロバティックなダンスを盛り込んだ現代的演出にリニューアルされてリバイバル版が上演、これが大ヒット。2015年には日本ツアーも行われたが、今回はこれをもとに日本人キャスト版の上演が実現した。

 

ダイアン・パウルスのよるリバイバル版は、全体が旅芸人一座の芝居という形になっていいて、リーディングプレイヤー(進行役)歌によってすべてが支配され、ストーリーが進んでいくという展開。その最も重要なリーディングプレイヤー役はクリスタル・ケイ。彼女のクリアなセリフとパワフルな歌声がステージ上から響き渡ると観客は自然と物語に吸い込まれていく。

 

旅芸人一座ということで、一座の呼び物であるサーカスアクトが重要なみどころになっていて、この公演のために集められた5人のオリジナルツアーメンバーが参加、バランスや空中ブランコなど驚異のサーカスアクトが次から次へと登場。城田や霧矢それに前田美波里といった日本側の出演者もアクロバティックなダンスに果敢に挑戦、見事な成果を上げている。

 

中世の物語といっても芝居形式なので、衣装なども基本は現代風、そのあたりもなんとも不思議な感覚で新鮮だった。可愛い子には旅をさせろ的な、同じような題材のミュージカルに「キャンディード」があり、この手のものにあまり面白さを感じなかったのだが、今回の新演出版は別で約2時間半の上演時間が短く感じるほどだった。

 

大学を出たものの、前途を模索中の若き王子ピピン役の城田は適役好演。父王チャールズが今井清隆。その後妻ファストラーダが霧矢、その息子でピピンの義弟ルイスが岡田亮輔、チャールズの母で、ピピンの祖母バーサが前田、ピピンが旅先で出会う若き未亡人キャサリンに宮澤エマという配役。

 

霧矢が、豪華なガウンを脱ぎ捨て、脚線美もあらわに見事なダンスを披露する場面があって、「ラ・マンチャの男」以来、霧矢ならではの本格的なダンスがみられたのがうれしかった。祖母役の前田の年齢を感じさせない見事なプロポーションによる空中ブランコの妙技もみもののひとつ。

 

大阪公演は12日から15日まで。

 

©宝塚歌劇支局プラス7月1日記 薮下哲司


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