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Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
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 明日海りお、魅力全開!スペシャルステージ「Delight Holiday」開幕

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   ©宝塚歌劇団

 

 明日海りお、魅力全開!スペシャルステージ「Delight Holiday」開幕

 

明日海りおを中心とする花組選抜メンバー18人によるコンサート、スペシャルステージ「Delight Holiday」(稲葉太地作、演出)が、東京ディズニーランド隣の舞浜アンフィシアターで11月30日に開幕、広い会場が連日超満員のファンの熱気でにぎわっている。

 

「Delight―」は、トップ就任4年を超え、花も実もあるビッグスターに成長した明日海が初めて開くコンサート。JR舞浜駅をおりて劇場へ行くまでのイクスピディアには明日海のポスターがいたるところに貼られていて最初は小さかったものが劇場に近づくにつれてだんだん大きくなっていくという、観劇前からいやがおうでも盛り上がるという憎い演出。アンバサダーホテルを抜けたところに建つアンフィシアターはもともとシルク・ド・ソレイユの専用劇場として建設されたものだが、東北大震災後にシルクが撤退、現在はコンサートホールとして使用されていて、宝塚が使うのは今回が初めて。実は東京宝塚劇場が改築されるとき、日比谷の敷地が手狭なため別の場所に移設する話が持ち上がり、この舞浜が第一候補だった。結局、さまざまな理由で日比谷の同じ場所で改築され、現在に至っているが、そんなゆかりのある場所でのコンサートだ。

 

アンフィシアターは半円形のステージが客席に飛び出していて、客席はそれを取り囲むように作られている、今はない梅田コマや新宿コマ、ニューヨークのエブリフィッシャーホールを思い起こさせる作りだ。ショーはその半円形のステージで繰り広げられ、時折、出演者が客席に降りてパフォーマンスするので、人数が少なくても迫力があり、観客も一体となってショーに入り込める臨場感あるステージとなった。

 

コンサートは明日海のワンマンショーというより明日海と花組の仲間たちといった感じの和やかな雰囲気のステージで、明日海の歌はもちろんだが、仙名彩世や鳳月杏らの歌もちりばめ、平成ヒットメドレーやDisneyメドレーでは出演者全員の見せ場、聞かせどころを作るなど明日海の組子への気遣いが感じられるのが見ていて気持ちがよかった。曲間のMCもずいぶんこなれてきたようだ。

 

プロローグはソフト帽を目深にかぶった明日海が、半円形のステージの中央からセリあがりで登場、そのかっこよさに満員の会場からは悲鳴に似た歓声が上がり、幕開けからボルテージは最高潮。3曲目の「Delight、Delight」でさっそく観客と一体になる振付指導があって、さらに盛り上がるという寸法。

 

明日海がピアノで「ラグタイム」を演奏するとそれがそのままオーケストラに受け継がれて、鳳月杏、優波慧、聖乃あすかの3人の男役スターがスリットの入ったロングドレスで登場、明日海とセクシーなダンスで濃厚に絡むという場面もあって目を楽しませてくれる。

 

プリンセス・プリンセスからDA PUMPの「U・S・A」まで平成元年から30年までのヒット曲をメドレーで歌い継ぐコーナーでは聖乃が「きよしのずんどこ節」を合いの手を「あすか」に変えて大いに盛り上げ、仙名が会場内の通路をトロッコに乗って歌った安室奈美恵の「HERO」を絶唱、これが聴きものだった。AKBやモー娘。のヒット曲を娘役メンバーが歌ったり、平井堅の曲を鳳月が歌うなどおなじみのJポップがずらり。明日海が何を歌ったかは見てのお楽しみというところにしよう。

 

続く「Delight stage」は、明日海がこれまでに出演した作品からの思い出の曲を歌うというコーナーで、ここが日替わりで曲が変わる。Aパターンを観劇したのだが「アリスの恋人」「エリザベート」「EXCITER!」「ハンナのお花屋さん」と続いた。「エリザベート」は芽吹幸奈を相手に「私が踊るとき」と優波慧を相手に「闇が広がる」だった。思わず明日海トートをもういちど見たくなる充実の歌唱だった。

 

ここで鳳月と仙名が残って出演者の紹介コーナーへ。この日は凛乃しずかと泉まいらが登場したが「小学生のころからの明日海さんファン」という凛乃が、ファン目線丸出しで明日海の魅力を語り、会場大爆笑の一コマも。コンサートはなごやかに進む。

 

続くコーナーは舞浜にちなんだDisneyコーナー。城妃美伶が「モアナと伝説の海」の主題歌、鳳月が「リメンバー・ミー」の主題歌、「メリー・ポピンズ」からは芽吹幸奈が「スプーン一杯の幸福」と続け、明日海が「ヘラクレス」仙名が「アナと雪の女王」のヒット曲「ありのままに」を歌い継いで最後に「アラジン」から極めつけ「ホール・ニュー・ワールド」を明日海と仙名がデュエットするという渋い選曲。

 

このあとは華やかな大詰めからフィナーレに展開して、休憩なしで1時間50分があっという間だった。ディズニーランドに隣接した舞浜という場所柄か、コンサートだからか、やたらに男性客が多かったのも今回の特徴。東京宝塚劇場には入りにくいがここなら堂々と入れそう、ということかも。ディズニーランドのアトラクションのひとつといった感覚で見られるのかもしれない。場内のクリスマスツリーやグッズ売り場など撮影ポイントも大賑わい。舞浜でのコンサートは大成功だった。

 

©宝塚歌劇支局プラス12月3日記 薮下哲司

 


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