愛希れいかのさよならを惜しむ!「宝塚イズム37」発売!
宝塚歌劇の愛ある評論誌「宝塚イズム37」(青弓社刊、1600円+税)が、6月1日に全国大型書店で発売されます。
最新号の巻頭特集は「愛希れいかのさよならを惜しむ」。トップ在任歴6年7カ月と長期にわたって月組を支え続けた娘役トップ愛希れいか。7月には娘役としては月影瞳以来となるバウ公演『愛聖女(サントダムール)』に主演、11月18日にヒット作『エリザベート』のタイトルロールで退団する。特集では、その美しさはもちろんのこと、しなやかなダンスや圧倒的な演技力でファンを魅了し続けた愛希に別れと感謝の言葉を贈ります。
小特集では、誕生から20周年という記念すべき年を迎え、真風涼帆という新トップスターが誕生した宙組を寿ぎ、また、今春、退団した名バイプレーヤー・沙央くらま&宇月颯への思いや「ありがとう」を綴ります。
OGロングインタビューには、雪組時代、絶大な人気を誇り昨年7月に退団、5~6月にミュージカル「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」で女優として復帰した早霧せいなが登場、今後の女優としての抱負をじっくり聞いています。聞き手は薮下哲司の担当です。
そのほかマンガ原作で話題の『ポーの一族』『天は赤い河のほとり』を含むレギュラー執筆陣による大劇場公演評に、薮下哲司と鶴岡英里子による好評の外箱公演対談や鶴岡と永岡俊哉による新人公演評、そして早霧せいなや柚希礼音など数々のOG舞台写真所収の薮下と鶴岡によるOG公演評と盛りだくさんの一冊です!
半年に一度の発行になりましたが、その分、内容も充実させています。是非、お買い求めください。
早乙女わかばさんが毎日文化センターで“わかば花火”を打ち上げ!
一方、5月23日、大阪の毎日文化センター「宝塚歌劇講座」には5月6日の月組東京公演千秋楽で退団したばかりの娘役スター、早乙女わかばさんが登場、退団後に二週間の近況はじめ退団にいたる経緯や宝塚への思い、今後の抱負などを、受講者のみなさんを前に約一時間たっぷりと話してくれた。
早乙女さんは2008年初舞台の94期生。初舞台の月組公演「ME AND MY GIRL」ではラインダンス以外にタップダンスの場面でも起用されるなど早くから注目され、星組に配属後、2年目の「ハプスブルクの宝剣」新人公演で早くも初ヒロインに大抜擢。「本公演で別の役でオーディションがあり、その時、植田景子先生のお目にとまったのかも。何が何だかわからないまま無我夢中でした」とまずは下級生時代の思い出話から振り返る。
その後もバウ公演や新人公演のヒロインなど柚希、夢咲時代の星組でのびのびと活躍、バウ公演「ジャン・ルイ・ファージョン」では念願のマリー・アントワネット役を演じた。「“ベルばら”以外の演目で、大好きなマリー・アントワネットを演じることができるなんて本当に幸せでした。これでいつでもやめてもいいと思いました」とも。
その後、咲妃みゆが、月組から雪組に組替えになるのと同時に月組へ。「研6で新たな環境に行くことがとても刺激的でした」と早乙女さん。月組の娘役トップ、愛希れいかは一期下にあたり、愛希をサポートする形の二番手娘役という立場で、ドラマシティ公演のヒロインやバウ公演のヒロイン、さらには「1789」や「グランドホテル」では実質ヒロイン役を海乃美月とダブルキャストで演じるなど、在団10年の間、常に重要なポジションを務めてきた。「多くの男役さんの相手役を務めましたが、やはり同期生が相手だとほっとします」とバウでの珠城りょうとの共演が一番思い出深いという。
「宝塚が大好きなので、自分を観客の立場で見てしまうんです。娘役10年ということはこれからは女役ですよね。でも私は娘役として辞めたかった。轟悠さんの舞台を見て宝塚に入りたいと思ったのですが、その轟さんと共演させて頂くことができ「長崎しぐれ坂」「カルーセル輪舞曲」では間近で羽を背負った轟さんと同じ舞台に立つことができ、これで思い残すことはないと思いました。「All for One」で辞めようと思ったのですが、ショーのある次の公演の方がいいと思ったとき“神家の7人”のお話を頂き、躊躇なく退団届を出しました」というのが退団の経緯の真相らしい。
退団後二週間。「毎日があっというま。15日には博多座に行ってきました」とまだ慌ただしい毎日を過ごしているという。「今後のことはこれからじっくり考えたい」とのことで「宝塚の早乙女わかばという名前を大事にして、いろんなことに挑戦していければ」と目標を話してくれた。充実した宝塚生活を終えて表情は晴れやかそのもの。退団あいさつで多くのファンから共感された「わかば花火」を退団後にもいつか大きく打ち上げてほしい。
毎日文化センター(大阪)「宝塚歌劇講座」では随時、受講生を募集しています。お問い合わせは☎06(6346)8700まで。
©宝塚歌劇支局プラス5月24日記 薮下哲司