Quantcast
Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
Viewing all articles
Browse latest Browse all 575

歴代トップ勢ぞろい!宙組誕生20周年記念イベント、宝塚大劇場で開催

$
0
0

]

 

 

歴代トップ勢ぞろい!宙組誕生20周年記念イベント、宝塚大劇場で開催

 

姿月あさとから真風涼帆まで、宙組歴代トップスターが勢ぞろいして「宙組誕生20周年記念イベント」(岡田敬二構成、演出)が、19日、宝塚大劇場で開催された。今回は、立ち見も売り切れ、立錐の余地もない超満員の熱気の中行われたこのイベントの模様をお伝えしよう。

 

 花、月、雪、星に続く5組目となった宙組は、東京宝塚劇場の新装開場を視野に1998年1月に誕生し、香港公演を経て、同年3月宝塚大劇場公演「エクスカリバー」(小池修一郎作、演出)と「シトラスの風」(岡田敬二作、演出)で華々しくお披露目された。以来20年、初代トップスター、姿月あさとから数えて8代目の新トップ、真風涼帆の大劇場披露を兼ねての記念イベントには歴代トップが勢ぞろい、客席には初代組長の大峯麻友や二代目の出雲綾のほか宙組OGたちの姿もみえ、なんともゴージャスな雰囲気が漂った。

 

 司会は宙組誕生時からの生え抜きである組長の寿つかさと副組長の美風舞良の二人。まずは宙組誕生の記者会見の模様からこの20年の主な作品の数々の名場面をまとめた映像が披露され、続いて二人の絶妙の司会で歴代トップの紹介から。トップバッターは昨年11月19日に退団したばかりの朝夏まなとの登場。朝夏は「退団三カ月の記念日に再び大劇場の舞台に立てて幸せです」とあいさつ。「王妃の館」と「神々の土地」の映像をみながら、「昨年の今頃、ちょうど大劇場に出てました。楽しかった」と思い出話に花が咲く。

 

続いて登場したのはゴールドずくめの凰稀かなめ。「風と共に去りぬ」と「ベルサイユのばら」オスカル編の映像が流れ、「風―」ではもみあげにこだわったこと、「ベルばら」は「この時はもう退団が決まっていて、まだ発表していなかったのですが、新曲の歌詞が私の気持ちにぴったりで、毎回歌うたびに感慨深かった」と今だから話せるエピソードを披露、「退団してちょうど3年目。宝塚を代表する大作に出演することが出来て幸せでした」と振り返った。

 

大空ゆうひ(祐飛)は「カサブランカ」。「大劇場でのお披露目で、私にとっては宙組全員とは初めましての公演だったのですが、メンバーが温かく迎えてくださって、本当にうれしかった」と改めて感謝の言葉。映画の名セリフ「君の瞳に乾杯」をいかに舞台の台詞として成立させるかを演出の小池修一郎氏と考えぬき「成立させました!」と話して大きな拍手を浴びていた。

 

ロングヘアをなびかせ純白のパンツルックで登場、思わず会場からため息がもれたのは大和悠河。サヨナラ公演の「薔薇の降る雨」と披露公演「宙FANTASISTA」の映像を見ながらの思い出話は、まずはキスの回数。「薔薇―」では陽月華と8回のキスシーンがあり、そのすべてを映像で披露、会場がおおいに沸いた。「宙―」では、寿と美風もカウントを手伝ってオープニングの大きな卵の中から飛び出すシーンを再現、明るい笑いに包まれた。目を手でかざして場内を眺め「大劇場、やっぱり広いですね」と久々の大劇場を満喫していた。

 

貴城けいは、博多座での披露公演「コパカバーナ」とドラマシティでのコンサートの映像が流れたが。「久しぶりに大劇場の舞台に立つとライトがまぶしいですね」と大劇場の照明の明るさを改めて実感していた。

 

「NEVER SAY GOODBYE」と「ファントム」の映像が流れたのは和央ようか。夫君のフランク・ワイルドホーンとの出会いとなった「NEVER―」は「思い出がありすぎて何から話していいか」と言いながら、まずは客席のワイルドホーン氏を紹介。「ファントム」では、「表情をどうするか、仮面をどうするかいろいろは話し合い、私がブルーの仮面がいいと言ったら、クリスタルの素敵な仮面を作ってくださって感激しました」と裏方の愛に感謝の言葉。

 

最後に登場したのは初代トップ、姿月あさと。寿、美風と抱き合って対面。「エクスカリバー」「シトラスの風」や「激情」の映像を見ながら、宙組立ち上げの苦労話に花が咲いた。「考えるよりとにかく行動だった。みんな汗だくで頑張りました」と無我夢中で突っ走った当時を振り返り、「シトラス―」で汗だくで踊る和央をみつけて「たかちゃん、やっぱり汗かいてる」に大笑い。「明日へのエナジー」の場面では、「本当にしんどかったけれど、名場面として今も何度も再演されていると聞いて、必死にやってよかったと思う」と初演の苦労が報われたことを喜んだ。

 

歴代トップ7人がそろったところで、新トップの真風と星風まどかが、宙組誕生の記者会見で書道家の望月美佐氏が書いた「宙」のパネルとともにが登場、姿月が、「組の名前は私たちも知らなかったので、最初の一画を見て、噂されていた”虹”ではないと分かったのですが、真横にいたので“宙”という字が“虎”にみえて“トラ”!」とみんなで顔を見合わせ「あとで“宙”と聞いてトラでなくてよかった」と胸をなでおろしたという話には満場大爆笑だった。7人がもういちどあいさつして真風の「これからの宙組をよろしく」の言葉で、トークコーナーは終了。

 

続く歌唱披露は、「シトラスの風」から「夢・アモール」を姿月、和央、真風というスペシャルバージョンで、引き続き「明日へのエナジー」は姿月を中心に、真風、星風のほか芹香斗亜、愛月ひかるら現役宙組生全員が燕尾服とドレス姿で共演、姿月の豊かな歌声が久々に大劇場に響き渡った。最後は「シトラスの風」をゲストも含めて全員で合唱、記念イベントを華やかに締めくくった。姿月は3月16日から始まる真風、星風の新生宙組公演「シトラスの風」の「明日へのエナジー」の場面などのアドバイザーとして稽古に立ち会い、宙組の後輩の指導に当たっているそうで「岡田先生の隣で指導に当たる自分が不思議な感覚」と言いながら「宙組が少しでもいい舞台をお見せできれば」と初代トップの責任感をうかがわせながら意気込んでいた。歴代トップたちの大きな愛に包まれた新生宙組メンバーのこれからの舞台が楽しみだ。

 

©宝塚歌劇支局プラス2月20日記 薮下哲司

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 575

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>