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Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
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OSK 95周年記念公演「春のおどり」開幕!  (宙組公演特別鑑賞会のお知らせも!)

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OSK95周年記念公演「春のおどり」開幕!

 

高世麻央を中心とするOSK日本歌劇団創立95周年記念公演「レビュー春のおどり」が17日、大阪松竹座で開幕した。今回は、大阪松竹座新築開場20周年記念を飾るイベントともなったこの公演の模様をお伝えしよう。18日夜の部には元OSKトップスター、大貴誠が観劇、カーテンコールで高世が客席の大貴を紹介、「95周年があるのは、大貴さんたち先輩のご苦労があったからこそ」と涙ぐみながら挨拶する感動的な一コマもあった。

 

ダブル記念公演となった「春のおどり」は第一部が和ものレビュー「桜鏡~夢幻義経譚~」(尾上菊之丞作、演出、振付)第二部が洋ものレビュー「Brilliant Wave~100年への鼓動~」(中村一徳作、演出)の二部構成。

 

「桜鏡―」は、宝塚では花組公演「雪華抄」の「清姫綺譚」の振付を担当した尾上菊之丞氏が全編を担当。「春のおどりは、よーいやさー」のかけ声で暗転からパッと灯りがつくと桜満開の絢爛たる世界。バックの桜には霞がかかり、まさに桜夢幻の世界。なんとも上品で優雅だ。OSKのトレードマークである「桜」がこれほど効果的に使われたのは初めてかも知れない。

 

高世に源義経、桐生麻耶に弁慶という好配役で、華やかなプロローグから、再び桜満開のフィナーレまでの間、一切装置を作らずシンプルにホリゾントのみで義経の一生を展開、光と影、夢幻そのもののレビューに仕立て上げた。歌舞伎のさまざまな演目でおなじみの義経だが、義経本人を主人公に一生を語る物語は珍しく、これはなかなかヒットな企画だった。京都・五条橋での弁慶との出会い、平家との屋島と壇ノ浦の戦い、そして恋羽みう演じる静御前との出会いと別れ、おなじみの場面がテンポよく登場、品のある高世の個性に義経がぴったりだった。吉峰暁子作詞による主題歌「桜の舞」も耳に心地よかった。

 

「Brilliant―」は、中村氏が、OSKの波乱万丈の95年を「波」にたとえ、さざなみから激しく熱い波などさまざまな波を歌やダンスで表現、これから迎える100年の荒波に全身全霊で向かっていこうという前向きでさわやかなレビュー。OSKならではのダンス中心のレビューだが、休演者が2人いるものの出演者が38人と普段の公演より多く、場面転換などにずいぶん余裕がでてきたなあという印象。なかでもOSK名物のロケットのあとに引き続いて楊彬が恋羽ら娘役6人を従えてのナンバーがあったのには昔日の感があった。一方、実花ももを中心としたロケットは今回もみもので、ジャンプを交えた一糸乱れぬ足あげは、男性客から思わず「ブラボー!」のかけ声がかかるほどだった。

 

もちろんトップの高世は歌にダンスに大活躍、第五章の「百年への輝く波」での存在感に全体を支配するような大きな包容力があった。演出が中村氏とあって平沢智やKAZUMI-BOYら宝塚でもおなじみの振付家が参加しており、構成的に宝塚レビューとの違いがだんだんなくなってきて、OSK独特の個性が失われていくのは残念なような気もするが、出演者の熱気はOSKならでは。期待のスター、悠浦あやとのレビュースターとしての成長ぶりも頼もしく、それ以外にも新しいスター候補生が目白押し、活気あふれる舞台はみていて気持ちがいい。

 

1923年(大正12)5月、大阪松竹座開場とともに第一回公演を行った「松竹楽劇部」をルーツに「大阪松竹少女歌劇団」「大阪松竹歌劇団」「日本歌劇団」「OSK日本歌劇団」と経営母体が変わるたびにさまざまな名称を経て現在に至っているが、2004年の解散から再結成、松竹が大阪松竹座での公演を再開、2014年からは東京にも進出するようになり、徐々に団員の数も増え、解散後の再結成時は23人だったが、現在では49人まで回復している。

 

「春のおどり」と並行して元宝塚の演出家、荻田浩一作、演出、期待の男役、華月奏、城月れいらの出演による異色作「ハイダウェイ」公演を7月13日から17日まで神戸・三宮のシアターエートーで上演するなど、話題作の公演を積極的に企画、100周年にむけて攻勢を強めている。

 

©宝塚歌劇支局プラス6月18日記 薮下哲司

 

 

朝夏まなとサヨナラ公演、宙組公演「神々の土地」「クラシカル ビジュー」特別鑑賞会のお知らせ

 

○…宝塚のマエストロ、薮下哲司さんと宝塚歌劇を楽しむ「宙組トップスター、朝夏まなとサヨナラ公演特別鑑賞会」(毎日新聞大阪開発主催)が、8月29日(火)宝塚大劇場で開催されます。「桜華に舞え」「幕末太陽伝」に続く第3回となる今回は、午後1時半からエスプリホールでの昼食会(松花堂弁当)のあと薮下さんが観劇のツボを伝授、3時の回の宙組公演「神々の土地」「クラシカル ビジュー」をS席(一階中部センター)で観劇します。参加費は13500円(消費税込み)。先着40名様限定(定員になり次第締め切ります。お早めにお申し込みください)問い合わせは毎日大阪開発☎06(6346)8784まで。

 


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