柚香光×星風まどか 退団後初ステージ「TABLEAU」開幕
元花組のトップスター、柚香光の退団後初コンサート「TABLEAU」(小林香構成、演出)が9月11日、梅田芸術劇場シアタードラマシティで初日を迎え、開幕前のゲネプロが公開された。柚香ならではのダイナミックなダンスとゴージャスなファッションに彩られたスタイリッシュなステージ、退団後4か月ぶりの共演となったゲストの星風まどかとは息の合ったデュエットダンスを披露するなど見ごたえたっぷりの二時間だった。
5月26日「アルカンシェル」東京公演千秋楽から4か月、黒とゴールドのパンツルックで舞台中央に登場した柚香、いきなり8人のダンサーたちと「Let Me Entertain You」をパワフルに歌い踊り、華やかにオープニング。「襟足まで伸びました」とちょっぴり延びた髪をさすりながら「動く絵画とでもいいましょうか、今のいろんな私を見てもらえたら」とコンサートの狙いを紹介したが、まだまだ現役の香りがプンプン、マニッシュなステージを展開した。とはいえ男性ダンサーと踊ると柚香の女性としての美貌が冴えるのも不思議、狙いは的中というところ。切れのいいダンスもさえわたり、とにかくかっこいい。
本番通りとはいうものの舞台稽古なので、中身については規制が多くて、見てからのお楽しみというところだが、中半のゲストコーナーに登場した星風は「ニュージーズ」稽古の合間をぬって駆け付けたとかで柚香も大感激。二人が共演した「巡礼の年」から「愛の夢」のデュエットダンスを再現。さらには柚香がサヨナラ公演「アルカンシェル」から「たゆたえども沈まず」を星風の前で歌った。「退団してから、こうしてデュエットダンスをさせて頂けるとは夢にも思わなかったので幸せです」と星風。4か月ぶりとは思えないラブラブぶりだった。
後半で赤いドレス姿に着替えた柚香が「歌うのが念願だった」というミュージカル「レ・ミゼラブル」でファンテーヌの持ち歌「夢破れて」を歌うという、在団時には考えられない選曲もあり、これがなかなかの熱唱で、今後の女優としての活躍の第一歩になるかもしれないと思わされた。
ラストは純白のゴージャスなパンツドレス?で出演メンバー全員とOfficial髭男dismの「Stand by You」で賑やかに歌い踊って締めくくった。この日の大阪は34度という9月とは思えない酷暑。歌って踊ってのハードなステージに舞台上の柚香は汗びっしょり。しょっちゅうタオルで顔をふく場面があったが、まるでファッショショーのような衣装の早変わりも完璧にこなし、二時間をノンストップで完走した。「やっぱり舞台に立つことが大好き。これからもよろしくお願いします」どこまでも謙虚な姿勢がなんとも心地よかった。
公演は16日まで大阪。その後東京、名古屋とつづく。
©宝塚歌劇支局プラス9月11日記 薮下哲司