柚希礼音舞台生活25年「REON JACK5」大阪公演、ゲストに夢咲ねね
元星組トップ、柚希礼音の舞台生活25周年を記念した「REON JACK5」(大村俊介演出、振付)大阪公演が29日から31日まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで開かれた。29、30日の公演にはトップ時代に相手役を務めた夢咲ねねがゲスト出演、退団後初顔合わせとは思えない呼吸の良さでファンを魅了した。
宝塚退団の翌2016年からスタートした柚希のコンサートシリーズ「REON JACK」の3年ぶり5度目のステージが8月に東京と大阪で実現、大阪公演のゲストに夢咲が登場した。二人が舞台で顔を合わせるのは退団公演千秋楽以来9年ぶり。コンサートの中半、純白のドレス姿でゲストコーナーに登場した夢咲はまずは「オーシャンズ11」から「エデン」をしっとりと歌いこみ、続いてサヨナラ公演のショー「dear DIAMOND!」で夢咲が歌った「ドライアイ」とつづけた。
続いて柚希も純白の衣装で登場、二人で思い出深い代表作「ロミオとジュリエット」の「エメ」を歌い始めるともうすっかりトップコンビ時代にタイムスリップ、ゴールデンコンビといわれた当時そのままの熱いムードで盛り上がった。
歌い終わった後のトークコーナーではまず夢咲が「25周年おめでとうございます」と柚希の舞台生活25周年を祝福。柚希がすかさず「ねねは何年?」と聞くと夢咲が「20年」と答え、今度は柚希が「おめでとう」と逆にお祝い。「退団してからどうしてた」と柚希の質問に「あっという間でした」と夢咲。「千秋楽の舞台で、明日からはもうちえさん(柚希の愛称)は私のお隣にはいらっしゃらないんだという感覚が信じられなくて。「ブエノスアイレスの風」から7年間、本当にお世話になりっぱなしでした。退団後、外の世界で男優さんとご一緒した時、凄く乱暴に扱われた時があって、ちえさんの優しさが身にしみ、しばらくちえさんロスが続きました」と明かしていた。しかし「ショーのダンスシーンで私はちえさんの後ろで踊っていたのに、あとで今日は気持ちが入っていなかったとダメ出しされて、背中にも目があるのかと驚いたことがある」と柚希の厳しさの一端も披露。「退団千秋楽のデュエットダンスも終わってからダメ出しされましたよね。明日はもうないのに」と明かして大笑いの一幕も。
「ブエノスアイレスの風」で初共演したときは、お互い人見知りして話も十分できなかったという二人。その後すっかり打ち解けて、9年ぶりのステージでもさりげなくお互いを気遣いあって呼吸もぴったり。12月には100周年を飾ったトップスターが一堂に会する「RUNAWAY」での共演も決まり「楽しみやねえ」と柚希。夢咲も「これからもよろしくお願いします」と深々とお辞儀して、客席からも温かい拍手を浴びていた。
コンサートは汐月しゅう(90期)天寿光希(91期)麻央侑希(94期)綾凰華(98期)と柚希のトップ時代を支えた星組の男役メンバー4人が出演、宝塚時代のショーメドレーや客席を巻き込んでの恒例「REON JACK」振り移しコーナーなどで大活躍。柚希も客席最後列までハイタッチのサービスをするなど大いに盛り上げた。もちろん、SYUN振付による柚希ならではの超絶テクニックによるダンスソロも健在、たっぷり二時間、プロの魅力にあふれた充実した25周年記念コンサートだった。
©宝塚歌劇支局プラス7月31日記 薮下哲司