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天華えま、退団後初ディナーショー開催

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天華えま、退団後初ディナーショー開催

 

元星組の人気スター今春「RRR」で退団した天華えまが、824日、宝塚ホテルで退団後初のディナーショー「(音楽監督・𠮷田優子)を開いた退団して5か月男役から解放されてすっかり自然体に戻った天華の柔軟な歌声に酔いしれた1時間半だった

 

天華は2012初舞台の98期生。整った容姿と滑らかな歌声で早くから注目され、星組に配属されて5年目2016年「桜華に舞え」新人公演で初主演、その後3新人公演で主演を務めるなど早くから星組のスター候補として期待されていたが、2022同期生の首席暁千星が月組から星組に次期スター候補として編入、道を譲るかのようにあっさりと退団してしまった。貴公子然とした上品な雰囲気は宝塚の男役として理想的だっただけにその不幸なめぐりあわせに忸怩たる思いを禁じえないが、それは今回のディナーショーの歌声を聞いても改めて感じ入った。

 

夏らしい涼しげな明るい衣装で登場した天華はまずは自身がメインキャストで出演した昨年のバウ公演「Stella Voice」の主題歌からオープニング。続いて新人公演で主演した「桜華に舞え!」そして「アナザーワールド」から「ありがたやなんまいだ」さらに「霧深きエルベのほとり」から「わくらばの恋」と歌い継ぎ、いきなり懐かしの宝塚コーナーで盛り上がった。しめくくりは凰稀かなめが中日劇場公演のショーで歌った舞台を見て感動、自分も機会があったら歌いたかったという「アシナヨ」。宝塚生活13年をここまでで一気につめこんだ。

 

古巣、星組公演はホテル入りした日に観劇「礼(真琴)さんが出てきただけで涙、同期や下級生が銀橋で立派にやっているのを見てまた涙。つい5か月前まで私も舞台に立っていたのですが信じられないくらいもうみんな立派で、タカラジェンヌってあらためてすごいと感動しました」と感想。すっかり親心での観劇だったそう。

 

そのあとの選曲はタカラジェンヌだった天華とは思えない意外な曲が続き「セットリストは秘密にして」という本人の意向を汲んで、東京での公演前でもあるので詳しくは差し控えるが、大ファンというジブリメドレーとか歌謡曲メドレー、そしてパリオリンピック開会式でも歌われたシャンソンをバックにソロでダンスを披露するなどといえば大体の雰囲気はわかっていただけるだろうか。トークもお茶会をディナーショーにグレードアップしたかのような雰囲気で人懐っこい天華の素の個性を十二分に披露した。

 

バンド演奏以外のゲスト出演者はなく終始天華一人だけのステージ。多彩な選曲で場を埋めることができたのはひとえに彼女のビロードのような美声。張り上げて歌いあげるのではなく例えていうと鈴を転がすような感じで、いつまでもずっと聴いていたいような涼やかで耳に優しい歌声。それでいて決してか細いものではないから芯から心地いいのだ。この歌声は今後も大きな武器になるだろう。

 

退団後初仕事がアニメ「サイボーグ009」の赤ちゃんの声の吹替だったというのも彼女らしい。ディナーショー後には来年3月、凰稀かなめはじめOGが大挙出演するミュージカル「ターキー」への参加が決定、今後の女優としての活躍も期待したい。

 

©宝塚歌劇支局プラス826日記 薮下哲司

 


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