水美舞斗 花組集大成ディナーショー「One and Only」開催
4月28日付で花組から専科に異動する水美舞斗が、15年間在籍した花組時代の集大成を披露したディナーショー「One and Only」(竹田悠一郎構成、演出)を、東京に続いて26、27日の両日、宝塚ホテルで開き、27日の公演がライブ配信された。
一昨年、主演したドラマシティ公演「銀ちゃんの恋」の主題曲「蒲田行進曲」に乗ってマコト役を演じた翼杏寿が舞台袖から「銀ちゃん」こと水美を紹介。「何をぐだぐだ言ってるんだ!」とばかりショッキングピンクの衣装で華々しく水美が登場、小夏役の星空美咲やミス農協こと玉美役の糸月雪羽も加わって「銀ちゃんの恋」の一場面を再現すると、「銀四郎さま~」と一之瀬航季が現れるというディナーショーとは思えない意表を突いたプロローグ。水美が「主役は俺だ!」と歌ってかっこよく締める。
水美は「花組の水美舞斗です」と花組生として最後の挨拶。「花組15年の集大成をお見せしたい」と笑顔で抱負、花組メドレーに突入。
「カナリア」から「俺には出来る」をはじめとして「ビューティフルガーデン」「CASANOVA」と懐かしい曲が連続。
共演の4人の水美愛あふれるトークコーナーを挟んで、まだまだ「オーシャンズ11」から「ジャンプ」「Sante‼」「アイラブアインシュタイン」新人公演初主演の「カリスタの海に抱かれて」バウ初主演「CURUZEIRO!」と思い出の公演の主題歌が続いた。
花組メドレーのあとはダンスコーナー。ジャズにアレンジした「マイフェイバリットシング」を一之瀬ら4人がスタイリッシュに歌い踊ると紺のスーツに着替えた水美が「Fever」「Jalousie」「Caravan」をダイナミックなダンスを交えて披露。ダンサー水美を前面に押し出したステージング。
もちろんそれだけで終わるわけはなく「夢は世界を駆けめぐる」「Red Hot Sea」から「引き潮」の再現「CURUZEIRO!」から「もっと南へ」そして「EXCITER‼」と最後の花組を満喫するように汗だくで歌い踊った。
さらに「花組の思い出をダンスで」とショパンの「NOCTURNE」そして「オーバーザレインボウ」をバックに15年間の花組時代をダンスで振り返った。時にはダイナミックに時にはしなやかにタイトルどおり唯一無二、まさに水美ならではのディナーショーだった。
直前に10月の博多座星組公演「ME AND MY GIRL」にビル役とジョン卿役を暁千星と役替わりで主演するというニュースが発表され、専科生としての第一作が決まった水美、アンコールに歌ったのは「レビューⅢ」の名曲「愛の旅立ち」。専科生としての新たな旅立ちにふさわしい選曲で、水美の晴れやかな表情が印象的だった。
©宝塚歌劇支局プラス4月27日記 薮下哲司