北翔海莉、ディナーショー「ブロードウェイの子守唄」開催
元星組トップスター、北翔海莉が、12月20日、宝塚ホテルでディナーショー「ブロードウェイの子守唄」を開いた。ゲストは元花組の鳳真由と元宙組の星吹彩翔の二人。ミュージカルナンバーや宝塚時代の懐かしい曲などを歌い継ぎ、久々の里帰りにファンを堪能させていた。
宝塚ホテルでのディナーショーは、専科時代以来7年ぶり、新装なった宝塚ホテルでは初めてとあって「なんだかキラキラしていてわくわくしますね」といいながら持ち前の滑らかな歌声を響かせた。
オープニングは鳳、星吹と3人でミュージカル「ヘアスプレー」から「ユー・キャント・ストップ・ザ・ビート」から。テンポのいい曲に早くも客席からは手拍子がわくなど、いきなり熱いムードに。3人とも思い思いのドレス姿で、いかにもOGコンサートといった雰囲気。続いて「ドリームガール」を三重唱、一気に盛り上がった。
ここで北翔がロングスカートから超ミニのワンピースに早変わり「キャバレー」を情熱的に。続いて3人で「CHICAGO」から「オールザットジャズ」とフォッシーメドレー。鳳の「42nd ストリート」を挟んで、ドレスに着替えた北翔が「うたかたのオペラ」「蘇州夜曲」と懐かしい曲を披露。
MCでは「退団して6年、結婚して子供も生まれ、もう二歳半になりました。3か月の時から楽屋で育ってきたので、ママの仕事もよく理解してくれています。本人はいま日舞を習っているんです」と私生活の報告も。「子を思う親の気持ちが良くわかり、フランツ役なんか今ならもっとうまくできたかもしれません」と笑わせた。
そして「子供には自由に育ってほしい」と「モーツァルト!」から「星から降る金」を情感たっぷりに歌いこんだ。星吹がそのあとを「アニー」から「トゥモロー」を熱唱、受け継いだ。
ここからは鳳と星吹でクリスマスメドレー。鳳は「エリザベート」花組公演の時、星吹は宙組公演「華やかなる日々」新人公演で北翔の役を演じた時の思い出話を披露、人並外れた北翔の温かい人柄がそれぞれのエピソードでうかがえた。そしてショーのメインタイトルのなっている「ブロードウェイの子守唄」をなんとこの二人は歌うという驚きの趣向。
そして、この間に北翔は現役時代と変わらぬ男役に変身。まずは「ダンディズム」から「パラディッソ」から一気に宝塚メドレーに突入。「夜霧のモンマルトル」や「ガイズ&ドールズ」から「はじめての恋」と歌い継ぎ、初日一回だけの公演しかなかった峰さを理追悼コンサートで歌った「飛鳥夕映え」から「夕映えの飛鳥」を万感の思いで歌い切った。
ラストソングは相手役だった妃海風の結婚を祝してコンビ披露となった全国ツアー公演のショー「Amourそれは」から「へミル・未来へ」。北翔の温かい気遣いが会場を包み込んだ。
鳴りやまぬ拍手にアンコールは、現役時代に着用した金ぴかの衣装で登場。ショー「ザ・エンタテナー」から「天翔ける翼」を3人そろって合唱。「宝塚ホテルさんならではですね。い一着だけ当時の衣装が借りられました。悩みましたがやはりこれにしました」寸法もぴったりだったそうでまさにタイムスリップした一時間半だった。
©宝塚歌劇支局プラス12月20日記 薮下哲司