楊琳らOSKと関西フィルが共演、OSK日本歌劇団創立100周年記念コンサート
OSK日本歌劇団の前身「松竹楽劇部」が誕生して100年を記念、試演公演を行ったゆかりの大阪市中央公会堂で9月11日「OSK日本歌劇団創立100周年記念コンサート」が関西フィルハーモニー管弦楽団の競演によって盛大に開かれた。
100年前に試演公演を行ったホールが、内部がリニューアルされたとはいうもののそっくりそのまま残っているということが奇跡のようで、そのクラシックなたたずまいとともにOSKの波乱の歴史が重なり、なんとも感慨深いコンサートになった。
オープニングは紋付き袴姿の楊琳を中心に舞美りら、千咲えみが人間国宝杵屋東成の長唄、杵屋勝禄の三味線をバックに踊る祝舞「松の翁」から。その優雅な舞にひととき時間のたつのを忘れる。
続いて華月奏が各界からのお祝いメッセージを代読、翼和希ら若手メンバーが100周年の夜明けとして今年の「春のおどり」の主題歌「春の彼方」を高らかに歌い上げた。
普段の公演は録音が多いことから生オーケストラをバックに歌うのはOSKのメンバーにとっては貴重な機会。生演奏をバックに「ビバ!OSK」などのテーマソングを出演者全員で大合唱、メンバーの表情も晴れやかだ。
99期、100期生による研修所校歌の披露、最近のOSKの公演メドレーと続き、特別専科の朝香櫻子が来年度後期のNHK朝の連続テレビ小説がOGの笠置シヅ子をヒロインにした「ブギウギ」に決まったことを報告、満員の会場から大きな拍手が送られた。
ラストはもちろん出演者全員がピンクのパラソルをもって歌うOSKのテーマソング「桜咲く国」で華やかに締めくくり、鳴りやまぬ拍手にアンコールで「虹色の彼方に」を大合唱して幕を閉じた。
思えば近鉄が支援を打ち切っていったん解散「存続の会」として再び立ちあがってからもはや18年、紆余曲折がありながら、しっかりと大阪の地に根付いてきた。楊琳を中心に次代を担う若手スターの台頭も頼もしく、楊の「101年からが正念場」という力強い言葉とともに、OSKの今後の展開を見守っていきたい。
「スポニチアーカイブス」(タブロイド判)9月号が、「OSK日本歌劇団栄華と不屈100年の足跡」(薮下哲司編著)としてOSKを特集。OSK波乱の100年と楊琳のインタビューを掲載、定価210円で現在好評発売中。お申し込みはフリーダイヤル0120‐4612‐10あるいは最寄りの毎日新聞販売店にお問い合わせください。
©宝塚歌劇支局プラス9月11日 薮下哲司
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楊琳らOSKと関西フィルが共演、OSK日本歌劇団創立100周年記念コンサート
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