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Channel: 薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
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楊琳 若き日の安倍晴明を熱演!「レビュー in Kyoto」開幕

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©️OSK日本歌劇団

楊琳 若き日の安倍晴明を熱演!「レビュー in Kyoto」開幕

OSK日本歌劇団創立100周年記念公演の掉尾を飾る「レビュー in Kyoto」が京都・南座で開幕した。トップスター楊琳を中心に35人が出演、第一部「陰陽師 闇の貴公子☆安倍晴明」(北林佐和子作、演出)第二部が「INFINITY」(荻田浩一作、演出)の和物ミュージカルとレビューの二本立て。2004年、松竹の協力のもと「春のおどり」が再開されて今年で早くも16年、以来ずっと和洋レビューの二本立てだったが、2019年「海神別荘」を南座で上演、今年は100周年を機に旧OSK時代最後の人気演目、夢枕獏原作による「闇の貴公子」21年ぶりのリニューアル上演が実現した。

 「陰陽師-」は、平安時代、百鬼夜行が跋扈する京都、一条戻り橋で陰陽師、安倍晴明(楊琳)が美剣士、源博雅(翼和希)を助けたことからはぐくまれた二人の友情を軸に鬼の正体を隠す茨姫(舞美りら/千咲えみ)と博雅との悲恋、邪悪な陰陽師、芦屋道満(登堂結斗)との対決がダイナミックなダンスと歌を交えてテンポよく描かれる。白狐を母に持つ晴明の陰の部分を楊琳の個性にあわせて明るくユーモラスに描き晴明の若き日の成長物語として描いたのも好もしかった。全体にセリフが聴き取りづらいのと歌唱には課題ありだが、鬼の群舞などダンスの迫力はさすがOSK、本場西陣が協力した平安朝の豪華な衣装も見栄えがした。

「INFINITY」は、松竹座、新橋演舞場で上演されたOSK100周年を記念したレビューに新場面を加えたものだが、荻田氏らしいセンスの良さが横溢、OSKメドレーもべたにならずにおしゃれ、名物ラインダンスも一工夫あって、非常に洗練された仕上がり。宝塚時代に「パッサージュ」や「バビロン」といった素晴らしいショーを生み出した荻田氏ならではのあか抜けたレビューだった。

 オープニングは赤、青、黄色と原色あふれるラテンから。楊琳を中心に「ビバ!OSK」(麻咲梨乃振付)で一気に盛り上がる。続いて、娘役トップ舞美りら、楊のコンビでOSK第一回公演にオマージュをささげた「アルルの女」(三井聡振付)をドラマチックに。そして黒とピンクを基調にした「パリの空の下」「パリ・パナム」といったパリレビューの世界へ。名物ラインダンスはもちろんこの場面に登場。美形ぞろいの娘役のラインダンスに男役が加わり、タップダンスの群舞に移行していくあたりはなかなか見ごたえがあった。登堂が歌う「ムーンライト・セレナーデ」に乗せて楊ともうひとりの娘役トップ、千咲えみのデュエットダンスも幻想的。ここで前トップの特別専科・桐生麻耶と朝香櫻子が登場、二人でさらにムードを高めるのも心憎い。

 そして楊を中心に名倉加代子振付のOSKダンス史上の極めつけ「ジャストダンス」を再現、出演者全員によるフィナーレへ、OSKの未来讃歌「虹色の彼方へ」を歌って幕となった。

虹架路万、愛瀬光、遥花ここという3人の退団者にも見せ場を作る心遣いもあり、一方、華月奏、翼、天輝レオ、登堂といった今後の活躍が期待される美形メンバーが妍を競う場もあって人材豊富なOSKの勢いが感じられるレビューだった。公演は18日まで。

©宝塚歌劇支局プラス7月10日記 薮下哲司


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