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望海風斗「最高に幸せ」連発、雪組公演千秋楽サヨナラショーで宝塚大劇場にお別れ
宝塚歌劇史上前代未聞の退団延期となった雪組のトップコンビ、望海風斗と真彩希帆のサヨナラ公演「fff」「シルクロード」が2月8日、宝塚大劇場で千秋楽を迎え、半年遅れのサヨナラショーがコロナ禍を吹き飛ばすかのような熱気で開かれ、望海はファンへの感謝の言葉でラストステージを締めくくった。
コロナ禍の感染予防対策のため本公演は下級生40人が2組に分かれて出演していたがサヨナラショーには雪組生全員が出演。まずは思いの深い主演作「ドン・ジュアン」から次期トップの彩風咲奈とのデュエットなど主題歌2曲を披露。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「壬生義士伝」「ひかりふる路」などのトップ時代の主題歌を次々に歌い継いだ。望海、真彩の「希望コンビ」代表作となったミュージカル「ファントム」からは「HOME」を真彩が熱唱、望海とのデュエットも再現、圧巻の舞台をまざまざとよみがえらせた。最後はショー「Super Voyager」から「ショー・マスト・ゴー・オン」と「Music Revolution」で歌って代表曲とした「ミュージック・イズ・マイ・ライフ」を望海が雪組生全員歌い上げると客席からはペンライトの洪水となり、約30分のサヨナラショーは感動とともに幕をとじた。
サヨナラショーのセットリストは次の通り。
① 「ドン・ジュアン」から「悪の華」(彩風咲奈とデュエット)
② 「ドン・ジュアン」から「Aimer」
③ 「琥珀色の雨にぬれて」から「シャロンのテーマ」
④ 彩凪翔とデュエット
⑤ 「凱旋門」から「酔いしれて」(真地佑果と煌羽レオとトリオで)
⑥ 「ワンスアポンアタイムインアメリカ」から「愛のひとひら」
⑦ 「Super Voyager」から「アンダルシアに憧れて」
⑧ 「春雷」から主題歌(彩凪翔)
⑨ 「“D”ramatic S」から「Dancing in the dark」(真彩とデュエットダンス)
⑩ 「壬生義士伝」から「石を割った花」
⑪ 「Gato Bonito!」(彩風咲奈ほか退団者全員)
⑫ 「ファントム」から「HOME」(真彩と)
⑬ 「Super Voyager」から「ショーマストゴーオン」
⑭ 「Music Revolution」から「ミュージックイズマイライフ」
同時に退団する彩凪翔らとともに男役の正装である黒の燕尾服でマイクの前に立った望海は「卒業を決めたのは私自身」と切り出し「退団公演のために多くの方の尽力を頂き本当に幸せ。一生忘れません」と感謝の言葉。「大切な」と続けて絶句。間をおいてから「ファンのみなさんと出会えてうれしかったです。本当に幸せです。本日、私は宝塚大劇場を卒業します!」と声を張り上げた。鳴りやまぬ拍手に、ベートーベンの「運命」にちなんで「タタタタン締め」で締めたが、カーテンコールは五度に及び、終演は6時を回るほどだった。ただ恒例の花のみちパレードは感染拡大防止のため中止。なにからなにまで異例ずくめのサヨナラ千秋楽だった。
終演後、望海は退団会見に臨んだが、こちらも一社一人という厳しい制限付き。それでも笑顔で「東京公演が終わるまでは男役でいたかった」と黒燕尾服でのあいさつの理由を話すなど終始「幸せ」を連発していた。退団後の仕事はまだ発表されていないが、何らかの予定があるのは必至で、4月11日の東京公演千秋楽以降の動向に注目が集まりそうだ。
©宝塚歌劇支局プラス2月8日 薮下哲司