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極美慎初主演、星蘭ひとみと“超絶美形コンビ”で魅了!「ベルリン、わが愛」新人公演

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  新人公演プログラムより

 

 

極美慎初主演、星蘭ひとみと“超絶美形コンビ”で魅了!「ベルリン、わが愛」新人公演

 

期待の男役ホープ、極美慎(きわみ・しん)が初主演した星組公演、ミュージカル「ベルリン、わが愛」(原田諒作、演出)新人公演が、24日、宝塚大劇場で行われた。今回はこの模様をお伝えしよう。

 

その際だった美形ぶりで早くから注目を浴びていた極美が、入団4年目で新人公演初主演に起用された。100期生で同期には優希しおん、星風まどか、風間柚乃、音くり寿、華優希ら期待のホープたちが目白押しだ。なかでも、長身で恵まれた容姿の極美はいかにも宝塚の男役にぴったり。待望の新人公演初主演とあって、この日の大劇場ロビーは、チケットの受け取りに長蛇の列ができるなど、開幕前から興奮状態。

 

「ベルリン―」は、1920年代後半のサイレントからトーキーに移り変わろうとするドイツ映画界を背景に、迫りくるナチスの統制を嫌って自由な映画作りの場を求めてハリウッドへ旅立つ青年監督の姿を描いた原田諒氏のオリジナルミュージカル。星組トップコンビ、紅ゆずると綺咲愛里のための書き下ろしだが、新人公演は極美と星蘭ひとみの未熟ながら限りない可能性を持った超絶美形コンビを中心に実力派が脇を固める、いわゆる新人公演らしい新人公演だった。

 

極美が扮したのはその青年監督テオ(本役・紅)。映画に情熱を燃やす青年テオを、爽やかに演じた。台詞の声がまだ高くて男役の声になっていないとか、スーツの着こなしがまだまだだとか、演技が不安定で地に足がついていないとか、すべてにまだまだ発展途上で今後の課題は多いが、長身で細身、水も滴る二枚目ぶりがすべてを吹き飛ばす。星蘭ひとみとのコンビは絵のような美しさで、楽屋の鏡の前でメーキャップの指導をする極美と星蘭のツーショットはまるで活人画のようだった。これぞ宝塚の二枚目というにふさわしい舞台姿だった。経験を重ねて大きく育ってほしい。

 

相手役のジル(綺咲)に扮した星蘭は、極美より一期下の研3。前回の「THE SCARLET PIMPARNEL」本公演でルイ・シャルル王太子役を可憐に演じて注目され、今回は一躍、新人公演のヒロイン抜擢となった。目鼻立ちがくっきりとした華やかな顔立ちに加えて、銀橋での極美とのデュエットやセリフにも安定感があり、劇中映画の花売り娘に扮した可愛い衣装やラストシーンの列車の極美とのツーショットも含めてどの場面もまさに眼福。この美男美女コンビの今後が楽しみだ。

 

テオの親友で絵本作家のケストナー(礼)は、天華えま。「桜華に舞え」と「THE SCARLET PIMPARNEL」とすでに2回新人公演で主演経験があり、今回は、主役のサポート役に回ったが、さすがに経験値は高くて余裕たっぷり、緩急自在の演技で自分なりの見せ場もきちんと押さえながら、初主演の極美を巧みに好サポートした。ケストナーの恋人役ルイーゼロッテ(有沙瞳)は天彩峰里(あまいろ・みねり)。この公演終了後に宙組への組替えが決まっていて、今公演ではレビューの初エトワールに起用されている期待の歌姫だ。歌がうまいだけではなく演技もしっかりしているのは今回の新人公演を見てもわかる通り。可憐な容姿も大きな強みで、宙組での活躍を期待したい。

 

この舞台に大きく分けて、テオの映画仲間、撮影所の経営陣、ナチス将校と3つのグループがあり、仲間グループは、天華と天彩を除くと飲んだくれの若手俳優ロルフ(瀬央ゆりあ)の天飛華音(あまと・かのん)ベテラン俳優、ヴィクトール(天寿光希)の颯香凛(さやか・りん)主演女優レーニ(音羽みのり)の小桜ほのかといったメンバーが主要人物。なかでは颯香と小桜の芝居心ある芸達者な演技が、それぞれ場をさらった。颯香はまだ研3だが、老け役としての作り込みではなく、自然な形で演じ込みながらベテランの落ち着きと貫録を表現、見事だった。小桜は、あくの強い役をいやみなく巧みに演じ切り、それがうまいものだから笑いと拍手を呼んだ。劇中映画のわざと高い声で歌い上げるソロも見事だった。

 

経営者グループは、クリッチュ社長(美稀千種)が、碧海(あおみ)さりお、プロデューサーのカウフマン(七海ひろき)が、天路そらといったメンバー。それぞれ安定感のある演技だった。重役室のメンバーの中で際立って美形だったのがシュナイダー(麻央侑希)を演じた湊瑠飛(みなと・りひ)。レビューシーンで“レ・ガールズ”のメンバーにもいてプロポーション抜群の容姿が印象的だった。

 

ナチスグループに登場するのはゲッペルス(凪七瑠海)の桃堂純と実業家フーゲンベルク(壱城あずさ)の遥斗勇帆。ゲッペルスはこの舞台では一番の巨悪。桃堂は前回に続いて長として最後の新人公演をこのゲッペルス役で締めくくった。冒頭の「メトロポリス」試写会の場面でちらっと登場するが、本格的な出番は誰よりも遅く30分以上たってから。しかし、ナチスの軍服に身を包み、銀橋にすっくと立つと、もうそれだけで威圧感があった。変に作らず丁寧な台詞回しが、かえってゲッペルスの怖さを引き立たせ、功を奏したことも付け加えたい。一方、遥斗も腹に一物ある実業家という雰囲気をよく伝えていた。

 

あとどちらのグループに属さない黒いビーナス、ジョセフィン・ベイカー(夏樹れい)に扮した華鳥礼良と本公演でルイーゼロッテを演じている有沙瞳が、万里柚美が演じた居酒屋の女将ゲルダでそれぞれいい味を見せていたことも書き添えておきたい。

 

 

◎…「毎日文化センター(大阪)」では「薮さんの宝塚歌劇講座」(講師・薮下哲司)2017年秋期講座(11月~3月)の受講生を随時募集中です。毎月第4水曜日の午後1時半から3時まで、大阪・西梅田の毎日新聞社3階の文化センターで、宝塚取材歴35年以上の薮下講師による最新の宝塚情報や公演評、時にはOGや演出家をゲストに招いてのトークなど、宝塚ファンなら聞き逃せないマル秘ネタ満載の楽しい講座です。11月は28日が開講日。12月には受講者の皆さんが宝塚の年間ベストテンを決める宝塚グランプリの選定会も行います。ふるってご参加ください。受講料(6回分18150円)。詳細問い合わせは☎06(6346)8700同センターまで。

 

 

◎…明日海りお主演、花組公演「ポーの一族」特別鑑賞会のお知らせ

 

  ©宝塚歌劇団

 

○…宝塚のマエストロ、薮下哲司さんと宝塚歌劇を楽しむ「花組公演“ポーの一族”特別鑑賞会」(毎日新聞大阪開発主催)が、1月18日(木)宝塚大劇場で開催されます。「桜華に舞え」「幕末太陽伝」「神々の土地」に続く第4回となる今回は、午後1時半からエスプリホールでの昼食会(松花堂弁当)のあと薮下さんが観劇のツボを伝授、3時の回の明日海りお主演、花組公演「ポーの一族」(小池修一郎脚本、演出)をS席(一階中部センター)で観劇します。参加費は13500円(消費税込み)。先着40名様限定(定員になり次第締め切ります。売り切れ必至の公演です。お早めにお申し込みください。)問い合わせは毎日大阪開発☎06(6346)8784まで。

 


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